[東京 3日 ロイター] -

<第一生命経済研究所 主任エコノミスト 藤代宏一氏>

ここ1週間の日本株は国内での新型コロナウイルスの新規感染者数にピークアウトの前兆が現れたことに加え、
国政選挙に伴う経済政策への期待感で底堅い動きとなっている。感染者が急増する中で景気対策に言及すると、人命軽視と捉えられかねない。
これまでの政府は感染対策を求める声と経済対策を求める声に板挟みになる状態となっていたが、内閣一新となると政策に取り組みやすくなるだろう。
ようやく明るい兆しが見えてきたのではないか。ただ、このタイミングでの菅義偉首相の自民党総裁選不出馬表明は想定外のシナリオ。
政治は予想しても意味がないということを改めて実感した。

市場参加者は岸田文雄氏か高市早苗氏を望んでいるとみている。昨日までは菅氏と岸田氏一騎打ちの状態となっていたが、
菅氏の総裁選への不出馬表明後、高市氏の総裁就任の確率は確実に上がった。高市氏の経済政策へのスタンスは明確で、
アベノミクスよりもさらに強力な財政出動を行う話があるほか、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の棚上げにも言及している。
メインシナリオは依然として岸田氏だが、きょうの上昇相場は高市氏を期待する動きも含まれているのではないか。

https://jp.reuters.com/article/%E6%94%BF%E5%B1%80%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%BF%E3%82%8B%EF%BC%9A%E8%8F%85%E6%B0%8F%E3%81%AE%E4%B8%8D%E5%87%BA%E9%A6%AC%E3%81%AF%E6%83%B3%E5%AE%9A%E5%A4%96-%E9%AB%98%E5%B8%82%E6%B0%8F%E3%81%AE%E7%A2%BA%E7%8E%87%E4%B8%8A%E6%98%87%E3%81%8B%EF%BC%9D%E7%AC%AC%E4%B8%80%E7%94%9F%E5%91%BD%E7%B5%8C%E7%A0%94%E3%80%80%E8%97%A4%E4%BB%A3%E6%B0%8F-idJPL4N2Q51BT