愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件で、地方自治法違反の罪に問われた元県議でリコール活動団体事務局長の田中孝博被告(60)、
次男で塗装業の雅人被告(29)の初公判が24日、名古屋地裁であった。
両被告側は罪状認否を留保した。検察側は冒頭陳述で、田中被告が署名の偽造を細かく指示した経緯や手口を詳しく述べた。

検察側は、署名収集開始から1カ月が過ぎた昨年9月末時点で約6000筆しか集まらず、田中被告が「リコールに必要な86万筆に遠く及ばず、署名の偽造を企てた」と指摘。
10月6日に雅人被告とともに東京へ行き、愛知県内に住む約80万人分の名簿データを533万円で購入したと説明した。

さらに、名古屋市の広告関連会社元社長山口彬被告(38)=同罪で起訴=から「代筆はだめですよね」と疑問を示された際、
田中被告が「いちいち本人に確認しないし、みんな普通にやっている。成立しなければ署名簿も戻ってくるので、すぐに廃棄すれば、ばれない」と押し切ったと強調。

佐賀市内で偽造した署名簿を雅人被告に運ばせた上、自ら指印を押し、雅人被告らにも押させたと述べた。
 起訴状によると、田中被告と雅人被告は山口被告らと共謀して昨年10月下旬、佐賀市内でアルバイトを使い、リコール署名簿に愛知県内の有権者計71人の氏名を書かせて、署名を偽造したとされる。

 田中被告は捜査段階では一貫して黙秘していた。今後の公判では、自らの行為が偽造に当たらないとの主張をする意向とみられる。
 山口被告の初公判は10月5日に開かれる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/132921

参考
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