8年連続増「SNSいじめ」が加速させる不登校 不登校支援の肝となるのは「保護者支援」だった

文部科学省が2021年10月に発表した20年度の調査によれば、小・中学校における長期欠席者数は28万7747人、そのうち不登校の児童生徒数は19万6127人と8年連続で増えているという。そこにはどんな問題があり、どう向き合えばいいのか。今回は子どもの教育支援を行っている認定NPO法人カタリバ代表理事の今村久美さんに話を伺った。

(中略)

そこにまた大きな問題として加わるのが、子どもたちのスマホ利用が広がったことだ。

「SNS上での仲間外れや、言葉による暴力などで苦しんでいる子どもは、学校での同調圧力を家庭にまで持ち帰らなければいけない事態となっています。これは大変憂慮すべきことです。昔なら、いじめられても家庭に帰れば、自分の時間を持つことができ、心の平安があった。しかし今はSNSで始終緊張を強いられている。心理的安全性が低くなっているといえるでしょう。さらに、SNSは閉じられたコミュニティーなので、親も気づいて助けてあげることが難しい。私のような大人でも、ネットやSNSにおける人の書き振りで傷つくことがあるのですから、語彙力が育っていない子ども同士のやりとりにおいてはなおさらです。スマホなどのデジタル機器の普及は、教育にもいい影響を及ぼしている一方、子どもたち同士のコミュニケーションを難しくしているという一面も理解しておく必要があります」

だが、スマホやSNSは今後もなくならないだろうし、いじめもなくならないだろう。それでは、そのような中で苦しい思いをしている子どもたちを、どう支援すればいいのか。

「学校が合わなければ、別の選択肢がある。そのようなセカンドオプションにアクセスしやすい環境をつくることが重要です。公的支援がある自治体もありますが、ほとんどは家庭の経済力によって、選択できる支援や機会が変わってしまっている。義務教育が無料であるならば、何らかの原因で、そこから外れざるをえない子どもたちの教育もまた、無料でアクセスできるべきでしょう。戦後から脈々と続いている教育システムは、すぐには変えられないかもしれませんが、だからこそオルタナティブな機会や場所を設けることが重要だと考えます」

では、不登校の児童生徒の学習機会はどのように確保されているのだろうか。現状は、フリースクールなどを活用するケースが多いという。しかし地域によっては、そもそもフリースクールがない所もある。また、あったとしても利用する場合には高額の授業料がかかり、経済力のある家庭の子どもしか活用することができない場合も多い。不登校特例校など公的支援もあるにはあるが、不登校特例校は、まだ全国に17校しかない。教育支援センターもすべての自治体が設置しているわけではなく、まだまだニーズには足りず、対応するにも限界があるのが実情だ。

(全文はこちら)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a11449b9f9cd0b3cf8feb02617ef20d0fcfd4e6d