自宅で覚醒剤を探す捜査員に「探せるもんなら探してみろ」とすごむ男。1時間の捜索の末、「白い粉」が見つかった場所は――。


 覚醒剤を密売したとして、警視庁多摩中央署は東京都福生市熊川の無職長谷川卓史容疑者(58)を覚醒剤取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで逮捕し、14日発表した。逮捕容疑は、昨年11月24日、自宅アパートで男性客(43)に覚醒剤約0.314グラムを1万円で売ったというもので、「渡したが、金は受け取っていない」と話しているという。

 署は長谷川容疑者が「密売人」とする情報を得て、内偵捜査をしていた。昨年11月のこの日、客が立ち去った後に部屋を捜索。覚醒剤約8.5グラム(末端価格約50万円)を見つけ、長谷川容疑者を同法違反(営利目的所持)の疑いで現行犯逮捕=単純所持で起訴=していた。


 捜査員による捜索中、長谷川容疑者は「探せるもんなら探してみろよ」と発言していたという。捜査員は室内を細かに調べ、冷蔵庫の中にあった3本の缶コーヒーに着目。上部に重心が偏っていることを不審に思い確かめると、中から覚醒剤が見つかった。缶の底面が切り取られたうえ、内側に透明なボトルが石膏(せっこう)で固定されており、中に白い粉末が入っていたという。

 署はこれまでに長谷川容疑者のアパートに出入りした男7人を覚醒剤の所持容疑などで逮捕した。今後、仕入れ先などを追及する。

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