建設中のトンネルルート上の東京都調布市で陥没や空洞が発生したため、停止していた東京外郭環状道路(外環道)工事のシールドマシン(掘削機)7基について、陥没現場近くの2基を除き、2月中旬にも掘削を再開する見込みであることが、沿線自治体への取材で分かった。事業者の国土交通省と東日本高速道路、中日本高速道路は14日、沿線住民への説明会を23日以降に開くと発表。説明会の場で工事の今後の見通しを明らかにする。
 掘削機は陥没現場近くのほか、関越自動車道と交わる大泉ジャンクション(JCT、練馬区)付近に3基、中央自動車道と交差する中央JCT(三鷹市)付近に2基が投入されている。自治体関係者によると、この5基が再開の対象になる見込みだという。
 説明会は、大泉JCT付近は練馬区(23、28、29日)と杉並区(27、29日)、武蔵野市(30日と2月1日)で、中央JCT付近は三鷹市(1月26、29日、世田谷区民も対象)で開催。3事業者が先月発表した再発防止策も説明し、内容は後日、東日本高速のホームページに掲載する。
 工事再開について国交省の担当者は「住民説明会で説明する。現段階では答えられない」としている。
 外環計画に反対する住民団体「とめよう『外環の2』ねりまの会」共同代表で、トンネルのルート上に自宅がある村山敦子さん(67)=練馬区石神井台=は「外環本線の掘削工事は地下40メートル以深なので地上には影響は与えないとの話だったが、調布の陥没事故でその前提が崩れた。トンネルが地下水の流れを遮断する恐れもあり、工事の再開はやめてほしい」と話した。(花井勝規、加藤益丈)

東京新聞 2022年1月15日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/154255