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検査急増 業務ひっ迫 3回目接種断念の医療機関も 杉並区内
01月23日 11時37分

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京都内の内科クリニックには感染が疑われる人が絶え間なく訪れて業務がひっ迫し、3回目のワクチン接種の業務を断念せざるを得ない事態になっています。

東京・杉並区の内科クリニックは通常の診察室とは別に屋外の通路に発熱外来を設けていて、今月に入ってから検査を希望して訪れる人が急増しています。
21日も診療開始の午前9時から発熱や喉の痛みなどを訴える人が絶え間なく訪れ、開始30分で午前中の検査の予約が埋まりました。
特に先週からは学校や保育所からの感染が目立っているということで、この日、発熱と頭痛を訴えて受診した5歳の女の子も検査で陽性と判定されました。
クリニックでは今月に入ってから22日までにおよそ400人が検査を受け、99人の感染が確認されたということです。
さらに杉並区では保健所の業務がひっ迫して濃厚接触者の調査を行っていないということで、学校や職場などで感染者が出た場合に周囲の人が不安を訴えて検査を求めるケースが後を絶たないということです。
このためクリニックではこれ以上、業務を増やすのは難しいとして当初、来月から予定していたワクチンの3回目接種の業務を断念せざるをえない事態になっています。
また、院内でできるPCR検査のキットがすでに底を尽き、抗原検査の簡易キットも、あと2週間分しか残っておらず、次の仕入れのめどもたっていないということです。
たむら医院の田村剛院長は、「このままでは通常の診療を守れなくなると、3回目の接種業務を断念することにした。さらに感染が拡大すれば近いうちに検査を希望しても全員が受けられない事態になりかねない。濃厚接触者でも症状がない人は、検査を控えてもらうことも検討すべきなのではないか」と話していました。