ソ連兵の「性接待」を命じられた乙女たちの、70年後の告白
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52608?page=4

懐かしいふるさとに戻ると、娘たちが性接待に出された話はタブーとなった。
「もう、みんなが表に出さんかったからね。あの当時はとっても、こんなことは話せんて」
しみじみとそう語るスミさんは、満蒙開拓青少年義勇軍(青少年を開拓事業に参加させる制度)の隊員だった男性と結婚した。結婚前に接待のことを伝えると「そりゃ、辛かったやろう」と言葉をかけてくれたという。だが、妻が元開拓団員らの集まりに参加するのは嫌がった。
スミさんには、わが娘にも打ち明けられないと思った出来事がある。10数年前、長女と居間でテレビを見ていたときだ。韓国の慰安婦問題のニュースが流れると、娘はとがめるような口調で言った。「慰安婦、慰安婦って自分から言うとったら、子どもや孫に迷惑がかかる。自分からよう言うわね」と――。
「あーだから、私は言うたらあかんって思って」
スミさんは押し殺すように声を潜めた。
「言いたいことはもう、皆で言うちゃっとるで。集まったときに」