ヤクザ、右翼、統一教会。反社勢力を利用し続けてきた自民党の自業自得

旧統一教会と所属議員との浅からぬ関係が次々と明らかになり、国民から大きな批判を浴びている自民党。しかし党本部からも関係が取り沙汰されている代議士からも、悪びれる様子は微塵も伝わってこないのが現状です。なぜ自民党と国民の感情との間にここまでの乖離があるのでしょうか。
(中略)さらに岸田首相の当問題を巡る一連の対応を批判するとともに、今こそ党総裁として強いリーダーシップを示すべきとの率直な意見を記しています。

■反社会的集団を利用してきた自民党の裏面史
次々と、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と関わり合った政治家の具体事例が明るみに出ている。関連団体のイベントに出席したり祝電を送った国会議員がこれだけいますと先手を打って発表した日本維新の会や立憲民主党のケースもあるが、教会との深い関係を漂わせるのは、圧倒的に自民党だ。

平井卓也衆院議員は昨夏、地元・香川で開催されたUPF(天宙平和連合)のイベント「ピースロード」で、実行委員長をつとめた。武田良太衆院議員と山本朋広衆院議員は17年2月、UPFが開いた「世界平和国会議員連合」の総会に出席、韓鶴子総裁から「それぞれ自分の国の氏族メシアになってください」とご託宣を受けた。

ほかにも、細田博之衆院議長、逢沢一郎衆院議員、萩生田光一衆院議員、江島潔参院議員、岸信夫防衛相、二之湯智国家公安委員長、末松信介文部科学相…と数え上げればきりがない。それでも「統一教会と自民党には、組織的関係はない。個別の調査はしない」と茂木幹事長は言う。

党執行部の決定や承認を経て統一教会となんらかの関係を取り結ぶことを「組織的関係」というのなら、むろんないだろう。自民党の政治には昔からオモテとウラがあり、統一教会はウラの担当だ。統一教会の組織票を自民党が割り振っていたとしたら、それはウラの動きといえよう。

統一教会票といっても、せいぜい10万票ていどとみられる。だが、この票の強みは教会本部の号令一下、確実に決められた候補者に流すことができるところだ。その割り振りを安倍元首相がしていたという疑惑があるが、ここへきて重大な証言が飛び出した。

統一教会のイベントに2020年から3度参加した伊達忠一前参院議長は、HTB北海道テレビの取材に対し「選挙でお世話になったお礼」と、参加の目的を明かしたうえで、安倍元首相と統一教会の関係について次のように語ったのだ。
「宮島喜文。長野から出てる。これを前回(2016年の参院選)で『どうだろう?』と安倍さんが(聞いて)、『統一教会に頼んでちょっと(票が)足りないんだウチが』と言ったら、『わかりました、そしたらちょっと頼んでアレ(支援)しましょう』ということで」
「今回(今年7月の参院選)は安倍さんは『悪いけど勘弁してくれ』と。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』という話になって、宮島は辞退したんですよ」

伊達氏が同じ臨床検査技師出身であることから肩入れした全国比例候補、宮島喜文氏(前参院議員)への統一教会票の割り振りをめぐる、安倍元首相との生々しいやり取りである。どうやら、安倍氏に頼めば教会票を動かせると伊達氏は認識していたようだ。

16年の参院選では、安倍氏が教会票を回してくれたので宮島氏が当選、今年の選挙ではその分を井上義行氏に割り振ることになったため、宮島氏は出馬を断念したということらしい。
安倍氏の意向しだいで票の行き先を変えられるというのは、どうみても尋常な関係ではない。安倍事務所には、統一教会の関係者が出入りしていたとも聞く。

自民党の元総裁や参院議長が教会票のやりくりに関わっていてもなお、茂木幹事長は自民党と統一教会の組織的関係はないとシラを切り通す。統一教会もまた「組織的に特定の候補者様を応援することはない」と、個人のせいにしている。

統一教会について、公明党の北側一雄中央幹事会長は「反社会的な団体」と記者会見で断じた。創価学会を棚に上げた発言ではあるが、間違いなく、統一教会は反社会的な活動を行ってきた。

自民党の政治家がそのような団体となぜ付き合ってきたのか。1950年代にまでさかのぼれば、ヤクザ、右翼勢力を利用してきた自民党の戦後裏面史と繋がる。
(中略)

教会員の力で総理大臣をも動かせることへの自負がにじむ発言である。しかしそれは、日本の政権がいかに甘く見られてきたかという証左でもある。それなのに、いまだ自民党から統一教会との関係を解消する動きはほとんど出ていない。
(後略)

まぐまぐニュース! 2022.08.05
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