自民党の萩生田光一政調会長、生稲晃子参院議員が今夏の参院選を前に、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の教会で行われた集会に出席した際の様子が分かった。信者らが東京選挙区に立候補する生稲氏をアニメ「巨人の星」の主題歌の替え歌で激励し、生稲氏は目頭を押さえて信者らに謝意を伝えたという。出席者らが朝日新聞の取材に証言した。

 集会があったのは、参院選が公示される4日前の6月18日。萩生田氏の選挙区でもある東京都八王子市内にある教会で開かれた。

 取材に応じた現役の信者らによると、萩生田氏はあいさつで生稲氏を紹介。信者が生稲氏を「行~け行~け~晃子~、どんと行け~」などと激励した。

 集会の2日前の16日夕、信者ら数百人が登録されているというLINEグループに、参加を募るこんなメッセージが届いた。

 「(世界平和連合よりお願い)6月18日(土)八王子家庭教会において、Sの応援激励会を午前10時開場、10時30分より開会。この取組は摂理の中心です。必ず勝利しなくてはならない内容です。多くの皆さんのご理解とご参加をお願い致します。 世界平和連合多摩東京事務局長」

 世界平和連合は教団の友好団体で、団体が掲げる国家ビジョンなどについてセミナーを開いたり、賛同する政治家らを支援したりしている。

 この信者は「メッセージにある『S』は選挙、『摂理』は教会の思想を意味する」と説明。過去の八王子での選挙の経験や「S」「摂理」といった言葉から、「萩生田さんが参院選で後押しする生稲さんを教会に連れてくるという連絡だとすぐに理解した」と話す。こうしたメッセージは、関係者以外には内容がはっきりと分からないように工夫されているという。

 朝日新聞が萩生田、生稲両氏に改めて見解を尋ねたところ、両氏の事務所は21日、「既にコメントを出させていただいている通りです」などと回答した。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ9P6CTZQ9JUTFK01G.html