時計2022/11/24 20:15神戸新聞NEXT

 歴史的な勝利を見届けようと、トイレや入浴を我慢して観戦する人が多かった-。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で、強豪ドイツを破った日本戦の水道使用量分析から、そんな傾向が浮かび上がった。
ドイツの得点や試合終了の直後の変化に特徴が出ており、日本の奮戦に一喜一憂したファンの心理と連動していることが分かる。

 日本のW杯初戦となったドイツ戦は、23日午後10時にキックオフし、テレビやインターネットで生中継された。その時間帯に合わせて神戸市水道局が主要配水池の使用量を調べ、市民約120万人分のデータを直近5日間の平均値と比較した=グラフ。

 23日の使用量は、平均値と比べて全体的に使用量が少ない。水道局の出口武博担当係長は「雨が降っており、普段よりも洗濯をする人が少なかった」と分析する一方、切れ目なくプレーが続くサッカーならではの特徴がグラフに表れているという。

 試合開始とともに使用量が減少し、ハーフタイムに急上昇。後半が始まると再び下がり、試合終了に合わせてまた伸びる-というもので、前回のW杯ロシア大会でも同様の傾向が見られた。

 特徴的なのが終了直後の変動で、ハーフタイムと異なり、2段階で伸びていることが分かる。出口係長は「試合が終わってすぐにトイレや入浴などを済ませた人がいる一方で、ハイライト映像や選手のインタビューまでチェックし、勝利の余韻に浸った人も多かったのだろう」とみる。

 興味深い変化は、前半にもみられた。ドイツが先制点を挙げた直後、わずかながら使用量が伸びている。悔しさを紛らわそうとしたのか、リプレー映像を見たくなかったのか、用を足すなどして一息つこうとした人たちの存在をうかがわせる。

 日本は次戦、コスタリカと対戦する。キックオフは27日午後7時。出口係長は「ドイツに勝って注目度が高まっており、試合の時間帯が日曜日のゴールデンタイム。水道使用量のグラフは、ドイツ戦以上に分かりやすい傾向になるのでは」と話している。

(小川 晶)

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202211/0015836715.shtml