2022年12月9日 06時00分

 東京都東村山市の住宅で5月、一家4人が死亡した火災の捜査は、真相が分からないまま終結する。警視庁は生活苦に伴う一家心中とみて、今月中にも容疑者不詳のまま殺人容疑で書類送検する方針を固めた。
関係者の証言をたどると、一家に異変が現れたのは2016年ごろ。火災後に住宅から遺体で見つかった三男が、消息を絶った時期と重なる。周囲から孤立し困窮していく中での一家心中に、知人らは「もっと頼ってほしかった」と声を落とした。(鈴鹿雄大)

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 15年ごろ、東京・池袋のライブハウスには、ステージでマイクを握る三男の姿があった。同級生だった男性(30)は「普段のおとなしい彼からは想像できなかった。本当に音楽が好きなんだなと思いました」と懐かしむ。




◆摂食障害から激ヤセ、不明に…その頃から父は

 ミュージシャンのGACKT(ガクト)のようになりたい—。そう周囲に語っていた三男が、急速な食事制限を始めたのは16年春ごろだ。
 アルバイト先の釣り堀の経営者だった小島忠さん(63)は「以前は丼をかき込んでいたのに、野菜しか食べなくなり、最後は何も口にしなくなった。すぐにやせ細り、顔色も悪くなっていった」と振り返る。

 三男は自身のツイッターに連日のようにライブの出演情報を書き込んでいたが、16年6月、「体重38.3キロ 腹囲57.5センチ」と投稿。10日後に「自力で立つことが難しい」「文字を打つのも限界」などと相次いで書き込んだ後、更新は途絶えた。
 小島さんは「バイトにも全然来なくなったので、うちの従業員が自宅に様子を見に行くと、父親から『三男は遠くにいる』と言われて会わせてもらえなかった。もしかしたら既に亡くなっていたのかもしれない」と推察する。



◆知人は「自分や周りをもっと頼ってほしかった」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/218830

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