■「晩婚化のせい」はあまりにも的外れ

 岸田文雄首相の「異次元の少子化対策」発言以来、少子化問題に関する話題が世間をにぎわせています。
しかし、〈政府の対策は「ひとりで5人産め」というようなもの…人口減少の本質は少子化ではなく「少母化」である〉の記事に書いたように、政府の対策は子育て支援一辺倒であり、
抜本的な少子化対策にはなりえないどころか、事実上、今現在でも2人産んでいる多くの子育て世帯にさらなる出生を求めるものであり、何か戦前の「産めよ、殖(ふ)やせよ」と何が違うのだろうという印象があります。

 加えて、自民党の麻生太郎副総裁が、少子化の最大の原因は晩婚化との見方を示した発言は大いに炎上しました。
それも当然で、麻生氏の発言は的外れにもほどがあるからです。

 以前、私は、当連載において、〈いま増税するなんて狂気の沙汰である…政府は「若者が結婚しない本当の理由」を分かっていない〉という記事で書いた通り、晩婚化など起きておらず、
若者が若者のうちに結婚できなくなったがゆえの非婚化であり、もはや若者の諦婚化であるという話をしました。

(略)

■生涯無子率がダントツで上がっている日本

さて、その中で、経済協力開発機構(OECD)が公開した、世界各国のチャイルドレス(生涯無子率)統計を日経新聞が報じて、これも大きな話題となりました。
日本における生涯未婚率を50歳時未婚率というように、50歳時点で子のない女性は生涯無子として分類されます。

 日本を含む世界各国の生涯無子率(生まれ年別50歳時点の無子率)をグラフ化したのが図表1です。

 日本の2020年時点(1970年生まれ対象)の生涯無子率は27%で、世界一高い。何より、この15年で一気に他国をごぼう抜きしています。
とはいえ、日本より出生率の低いイタリアやスペインなども無子率は急激に上昇していますし、北欧のフィンランドも20%超えです。OECD統計にはありませんでしたが、ドイツの値も21%です。

■近い将来、男性の半分は子を持たずに生涯を終える

 このニュースでは、日本の生涯無子率が27%、つまり、約3割の女性が生涯子無しであることばかりが注目されましたが、
出生は男女それぞれ1人ずつの共同によるものなので、当然男性の生涯無子率もあります。そして、それは女性より高いのです。

続きはソースで
2/1(水) 8:16配信 プレジデントオンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/225ef41f23255df1e6e1603ca8efdbb680a9aef8