ある日、同居している14歳になる姪っ子の下着類が一切合切盗まれるという事件が起きたのです。あろうことか真っ先に疑われたのは私でした。40歳過ぎて独身だということだけで血の繋がった実の兄の娘の下着を盗んだだろうとこの弟である私が真っ先に疑われたのです。肉親なのに。兄弟なのに。ずっと一緒に育った兄弟なのに。ただただ40過ぎて独身だというだけで実の弟である私が 一方的にかつ疑われたのです。とても心外で悲しいことです。やりきれない気分で一杯です。

 確かに盗んだのは私でした。
しかし、そんなことはささいな事です。論点がはずれています。私が訴えたい事は“私が犯人だと決まってないうちに” 既に“私を疑っていた”という事実なんです。
 つまり40歳で独身だという事は常に『気持ち悪い事をしでかすに違いない』という疑いの目で見られている、というリアルな現実なのです。これはまさに冤罪の温床です。我々4.過ぎた独身中年は常にそういったいわれ無き迫害に晒されながら毎日ビクビクして生きて行かなければならないのでしょうか?

 結局私が犯人だということがばれ、兄嫁と姪っ子は「気持ち悪い。もう、出て行くか死んでくれないかな」と悲しそうに言いました。
 ですが 私はそのような兄夫婦と姪を許す事はできません。私が犯人だとばれる前から私を疑っていた、という事実は消えないからです。