熊本県で2020年、死産した双子の遺体を放置したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人
元技能実習生レー・ティ・トゥイ・リン被告(24)の上告審判決が24日
最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)で言い渡される。2審の結論を変える際に必要な弁論を開いており
懲役3月、執行猶予2年とした有罪判決を見直す可能性がある。(奥村圭吾)

リン被告は熊本県内の農園で働いていた20年11月
周囲に妊娠を隠したまま自宅で双子の男児を死産。遺体をタオルに包み
おわびの言葉などを書いた手紙とともに段ボール箱に二重に入れ
自室の棚の上に置いた。翌日、連れて行かれた病院で発覚した。

弁護側は「一時的に安置しただけだ」と無罪を主張したが
1審熊本地裁と2審福岡高裁は有罪と判断。
上告審では、遺体を入れた箱をさらに箱で包み、テープで封をした行為が「遺棄」に当たるかどうかが争点となった。

●「妊娠で帰国強要」訴え
 元技能実習生の事件の背景には、妊娠、出産を巡る実習生への不適切な取り扱いがまかり通っている実態がある。妊娠で実習を打ち切られたフィリピン人元実習生の女性(26)は「ひどい実態に目を向けるきっかけになってほしい」と願う。

女性は19年9月に来日し、福岡県内の老人ホームで介護の仕事をしていた。
21年4月、実習生のパートナーとの子を妊娠したことが分かった。
日本の労働法制は実習生にも適用され、妊娠、出産を理由に帰国や退職を強いることはできない。
女性は契約を維持したまま母国で出産した後に復帰することを望んだ。

しかし、送り出し機関などに相談すると「妊娠は契約違反。
罰金を払ってフィリピンに戻らなくてはならない」と言われ
監理団体からは暗に中絶を提案された。女性が拒むと、同じ監理団体の別の施設で
働くパートナーが「中絶しないなら、2人に起こり得る全てのことを受け入れるように」と迫られたという。

続きはソース先
東京新聞 2023/03/23 6:00
https://www.tokyo-np.co.jp/article/239541