北アルプスの山岳観光に新ルート−−。富山県の黒部峡谷鉄道の終点・欅平(けやきだいら)駅と黒部ダムをトロッコ電車などで結ぶ関西電力の工事用輸送路「黒部ルート」について、2024年度から一般開放する協定が17日、県と関電の間で結ばれた。
北アルプスを貫く観光ルートは、これまで「立山黒部アルペンルート」のみだった。同ルートは年間約93万人が訪れ、近年は訪日外国人にも人気。県は16年度から、関電に黒部ルートを新たな集客を狙い、一般開放することを求めていた。
黒部ルートは、黒部ダムと欅平駅を結ぶ約18キロのトンネルで、黒部ダム建設などに伴い、1936〜63年に整備。周辺の工事と合わせて300人以上の死者が出たとされる。現在も発電施設の保守や工事に使われ、トロッコ電車や地下ケーブルカーなどを乗り継ぐ。吉村昭の同名の小説で知られる「高熱隧道(ずいどう)」を通るなど見どころも多いが、これまでは事前抽選による年間2040人の見学客に限られていた。
県が旅行の企画運営を担い、関電は23年度までに設備の調査、安全対策を担当。黒部ルートには年間8000人〜1万人を受け入れる計画。県観光戦略課は「雄大な大自然が堪能できる新たなルートとすると共に、水力発電開発という歴史にロマンをはせられる産業観光ルートにしたい」と意気込む。
毎日新聞 2018年10月17日 11時33分
https://mainichi.jp/articles/20181017/k00/00e/040/279000c
北アルプスを貫く観光ルートは、これまで「立山黒部アルペンルート」のみだった。同ルートは年間約93万人が訪れ、近年は訪日外国人にも人気。県は16年度から、関電に黒部ルートを新たな集客を狙い、一般開放することを求めていた。
黒部ルートは、黒部ダムと欅平駅を結ぶ約18キロのトンネルで、黒部ダム建設などに伴い、1936〜63年に整備。周辺の工事と合わせて300人以上の死者が出たとされる。現在も発電施設の保守や工事に使われ、トロッコ電車や地下ケーブルカーなどを乗り継ぐ。吉村昭の同名の小説で知られる「高熱隧道(ずいどう)」を通るなど見どころも多いが、これまでは事前抽選による年間2040人の見学客に限られていた。
県が旅行の企画運営を担い、関電は23年度までに設備の調査、安全対策を担当。黒部ルートには年間8000人〜1万人を受け入れる計画。県観光戦略課は「雄大な大自然が堪能できる新たなルートとすると共に、水力発電開発という歴史にロマンをはせられる産業観光ルートにしたい」と意気込む。
毎日新聞 2018年10月17日 11時33分
https://mainichi.jp/articles/20181017/k00/00e/040/279000c