司法試験「初受験で合格」過半数に 受験・合格者数は12年以降で最少
1/20(水) 19:51配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/28b7ea60afcae926f6281d58d25a309b3f24d796
法務省は20日、2020年の司法試験合格者を発表した。受験者3703人(前年比763人減)に対し、合格者は1450人(同52人減)だった。合格率は39・16%で、前年比5・53ポイント上昇。法科大学院を修了して最初の試験で合格した人の割合は50・58%となり、初めて5割を超えた。
受験者数と合格者数はいずれも新試験に完全移行した12年以降で最少を更新し、政府が15年に掲げた合格者の数値目標「1500人程度」を初めて下回った。合格者の年齢は20〜69歳で平均28・4歳。男性1083人、女性367人。
司法試験は、法科大学院を修了するか、経済的事情などで法科大学院に通えない人を想定した予備試験を通過すれば、受験資格を得られる。20年の合格者のうち、法科大学院修了者は1072人で、合格率は32・68%。予備試験通過者は378人で、合格率は89・36%だった。
19年度に法科大学院を修了して初めて試験に臨んだ受験者は1204人で、合格者は609人。合格率は50・58%となり、法科大学院修了後の最初の試験で合格した人の割合が初めて5割を超えた。法務省幹部は「志願者が減少する中、選抜の厳格化や教育の充実に取り組み、実を結びつつある」との見方を示した。
法科大学院別の合格者は、東京大が最も多い126人で、慶応大と京都大も100人を超えた。合格率は愛知大がトップの77・78%で、一橋大70・59%、東京大59・43%が続いた。
司法試験は例年5月に行われるが、20年は新型コロナウイルスの感染拡大で8月に延期された。21年は例年と同じ、5月に実施される予定。【村上尊一】
◇合格率一時低迷で法科大学院を改革
法曹養成制度改革で今年度、法科大学院進学を前提に法学部を3年で卒業できる「法曹コース」が新設された。2023年度からは法科大学院在学中でも司法試験を受験できるようになり、例年5月に実施される試験が7月に移る。
04年創設の法科大学院は修了者の司法試験合格率が低迷し、経済的、時間的負担に比べリスクが高いことから入学志願者の減少傾向が続く。司法試験の受験者も減少し、事態打開に向けて19年に法改正された。
新設された法曹コースは、法学部の学生が1年時に選択でき、最短3年で学部を卒業し、特別枠で法科大学院に進学する。他大学の法科大学院への進学も可能だ。23年度には、条件を満たせば、法科大学院の最終学年時に司法試験を受験できるようになる。
在学中受験と法科大学院教育との両立を図り、司法試験は前・後期課程の谷間の「7月中・下旬」に実施する。合格者が進む司法修習も、法科大学院修了時期と接続する3月の開始とする。一連の改革で、大学入学から法科大学院を経て法曹になるまで最短で6年となり、現在より2年短縮される。【村上尊一】
◇司法試験合格者が10人以上だった法科大学院の順位
※カッコ内は昨年の順位
@法科大学院A合格者(人)B合格率(%)
1(2)@東京大A126B59.43
2(1)@慶応大A125B49.80
3(3)@京都大A107B57.84
4(4)@中央大A85B29.41
5(6)@一橋大A84B70.59
6(5)@早稲田大A75B36.06
7(8)@神戸大A62B49.21
8(7)@大阪大A34B37.78
9(9)@明治大A30B23.62
10(24)@同志社大A28B23.73
11(14)@東北大A26B53.06
12(10)@名古屋大A23B40.35
13(14)@九州大A21B46.67
13(18)@日本大A21B25.93
15(13)@首都大東京A20B22.99
16(10)@北海道大A19B21.59
17(17)@創価大A16B34.04
18(16)@筑波大A15B26.79
19(24)@大阪市立大A12B23.08
20(20)@関西学院大A10B21.74
20(20)@関西大A10B18.18
法科大学院計 A1072B32.68
予備試験合格者 A378B89.36
総計 A1450B39.16
1/20(水) 19:51配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/28b7ea60afcae926f6281d58d25a309b3f24d796
法務省は20日、2020年の司法試験合格者を発表した。受験者3703人(前年比763人減)に対し、合格者は1450人(同52人減)だった。合格率は39・16%で、前年比5・53ポイント上昇。法科大学院を修了して最初の試験で合格した人の割合は50・58%となり、初めて5割を超えた。
受験者数と合格者数はいずれも新試験に完全移行した12年以降で最少を更新し、政府が15年に掲げた合格者の数値目標「1500人程度」を初めて下回った。合格者の年齢は20〜69歳で平均28・4歳。男性1083人、女性367人。
司法試験は、法科大学院を修了するか、経済的事情などで法科大学院に通えない人を想定した予備試験を通過すれば、受験資格を得られる。20年の合格者のうち、法科大学院修了者は1072人で、合格率は32・68%。予備試験通過者は378人で、合格率は89・36%だった。
19年度に法科大学院を修了して初めて試験に臨んだ受験者は1204人で、合格者は609人。合格率は50・58%となり、法科大学院修了後の最初の試験で合格した人の割合が初めて5割を超えた。法務省幹部は「志願者が減少する中、選抜の厳格化や教育の充実に取り組み、実を結びつつある」との見方を示した。
法科大学院別の合格者は、東京大が最も多い126人で、慶応大と京都大も100人を超えた。合格率は愛知大がトップの77・78%で、一橋大70・59%、東京大59・43%が続いた。
司法試験は例年5月に行われるが、20年は新型コロナウイルスの感染拡大で8月に延期された。21年は例年と同じ、5月に実施される予定。【村上尊一】
◇合格率一時低迷で法科大学院を改革
法曹養成制度改革で今年度、法科大学院進学を前提に法学部を3年で卒業できる「法曹コース」が新設された。2023年度からは法科大学院在学中でも司法試験を受験できるようになり、例年5月に実施される試験が7月に移る。
04年創設の法科大学院は修了者の司法試験合格率が低迷し、経済的、時間的負担に比べリスクが高いことから入学志願者の減少傾向が続く。司法試験の受験者も減少し、事態打開に向けて19年に法改正された。
新設された法曹コースは、法学部の学生が1年時に選択でき、最短3年で学部を卒業し、特別枠で法科大学院に進学する。他大学の法科大学院への進学も可能だ。23年度には、条件を満たせば、法科大学院の最終学年時に司法試験を受験できるようになる。
在学中受験と法科大学院教育との両立を図り、司法試験は前・後期課程の谷間の「7月中・下旬」に実施する。合格者が進む司法修習も、法科大学院修了時期と接続する3月の開始とする。一連の改革で、大学入学から法科大学院を経て法曹になるまで最短で6年となり、現在より2年短縮される。【村上尊一】
◇司法試験合格者が10人以上だった法科大学院の順位
※カッコ内は昨年の順位
@法科大学院A合格者(人)B合格率(%)
1(2)@東京大A126B59.43
2(1)@慶応大A125B49.80
3(3)@京都大A107B57.84
4(4)@中央大A85B29.41
5(6)@一橋大A84B70.59
6(5)@早稲田大A75B36.06
7(8)@神戸大A62B49.21
8(7)@大阪大A34B37.78
9(9)@明治大A30B23.62
10(24)@同志社大A28B23.73
11(14)@東北大A26B53.06
12(10)@名古屋大A23B40.35
13(14)@九州大A21B46.67
13(18)@日本大A21B25.93
15(13)@首都大東京A20B22.99
16(10)@北海道大A19B21.59
17(17)@創価大A16B34.04
18(16)@筑波大A15B26.79
19(24)@大阪市立大A12B23.08
20(20)@関西学院大A10B21.74
20(20)@関西大A10B18.18
法科大学院計 A1072B32.68
予備試験合格者 A378B89.36
総計 A1450B39.16