0001かわる ★2021/07/17(土) 19:41:25.62ID:8+Diq43O9
――いまの気持ちをお聞かせください
受賞の連絡をいただいたとき、本当に驚きました。トイレのなかにいたんですよ。2回受信を拒否しました。タイミングがわるい(笑)。受賞していちばん言わなければいけないことは感謝ですね。小説は一人でも書けますが、読者に届けるためにはいろんな方が関わっていないといけないし、ましてや受賞となると文学賞の選考委員の方々や運営スタッフの方々、ほんとうにありがとうございます。いちばん感謝しないといけないのはこれまで作品を読んで応援してくれた読者のみなさんです。李琴峰は芥川賞を取る前から読んでいたと胸を張って言えると思います。
――受賞後に最初に連絡したのは?
台湾のメディアに知り合いがいて、受賞したよと連絡したら駆けつけてくれました。
――ご家族には?
私の家族はみんな台湾にいて日本のことをあまり知らない。芥川賞ってなにそれという感じなので、ネットニュースのURLを送った。候補になったことも言っていない。
――2008年の楊逸(ヤンイー)さんにつづく日本語を母語としない作家の受賞です
やっぱり母語ではない言語では生活するのも大変だし、小説を書くとなるとほんとうに大変。だから楊逸さんもずっと尊敬していました。今回、非日本語話者の2人目の受賞者になってほんとうに光栄に思います。
――選考委員の松浦寿輝さんがこの作品は日本語や日本文学の未来を新しくしていくようなものであると。日本の文学史上でどういった役割を担いたいですか
これまで作品で一作ごとに日本文学というものを確実にアップデートしてきたという自負はある。私は自分が大事だと思っている問題意識を小説に取り込んで、自分が書きたいものを書いていくことに尽きる。
――過去の作品では台湾の「ひまわり学生運動」を書き、本作でも歴史が語られる。社会と文学のかかわりで考えていることは
あくまでも私の理解では、ここ数十年の日本文学では政治に言及したり社会の問題に踏み込んだりすることに抵抗感があるような気がする。政治に批判する意味を込めた小説を書くと欠点のように言われるが、別にあってもいいんじゃないかと思う。それは私を培ってきた台湾文学の土壌にそういう特徴があったからじゃないかとも思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0259f36f9b91190251ee60135db4a6f294565809
地続きの場所として描かれる「島」
『彼岸花が咲く島』は、フェミニスト・ユートピアの正統的系譜を継ぐ傑作である。
李琴峰の『彼岸花が咲く島』も、そうした世界の広い潮流のなかに、その最先端に位置づけられると、わたしは感じている。この作品を、自分たちの住む世界から遠いどこかに島の物語と思うなかれ。ここに描かれる島はわたしたちのいる場所と地続きなのだ。
砂浜に倒れた少女は記憶をなくしており、彼岸花を採りにきた島の娘「游娜(ヨナ)」に見つけられる。海のむこうの「ニライカナイ」から来たから、「霧実(ウミ)」と名づけられるが、名をもらった本人が漢字を覚えられないため、「宇実(ウミ)」という名に落ち着く。游娜は宇実にほんのりとした恋心に似た感情を抱くようになる。
李さんは89年、台湾生まれ。台湾大学卒業後の2013年に来日し、17年に日本語で初めて書いた小説で作家デビューした。芥川賞の候補入りは2度目だった。受賞作は「ニホン語」と「女語(じょご)」という二つの言語がある架空の島の習俗や歴史を、ジェンダーをめぐる物語として描く。日本語が母語ではない作家の芥川賞受賞は、08年の楊逸(ヤンイー)さん以来、13年ぶり。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f60d65d0b75b1d133633b5e1c6557e2ae0d82d60
彼女の小説世界においても、性的マイノリティの登場人物は欠かせない。レズビアンやゲイ、トランスジェンダーなどLGBT に対して寛容で、日本でも高い人気を有するオードリー・タンIT大臣のような人材が活躍する台湾という社会の空気を、李琴峰はその作品のなかに色濃くまとわせている。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900308/
フェミニズム・ユートピア小説の最先端を示す芥川賞受賞作:李琴峰『彼岸花が咲く島』
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900306/
受賞の連絡をいただいたとき、本当に驚きました。トイレのなかにいたんですよ。2回受信を拒否しました。タイミングがわるい(笑)。受賞していちばん言わなければいけないことは感謝ですね。小説は一人でも書けますが、読者に届けるためにはいろんな方が関わっていないといけないし、ましてや受賞となると文学賞の選考委員の方々や運営スタッフの方々、ほんとうにありがとうございます。いちばん感謝しないといけないのはこれまで作品を読んで応援してくれた読者のみなさんです。李琴峰は芥川賞を取る前から読んでいたと胸を張って言えると思います。
――受賞後に最初に連絡したのは?
台湾のメディアに知り合いがいて、受賞したよと連絡したら駆けつけてくれました。
――ご家族には?
私の家族はみんな台湾にいて日本のことをあまり知らない。芥川賞ってなにそれという感じなので、ネットニュースのURLを送った。候補になったことも言っていない。
――2008年の楊逸(ヤンイー)さんにつづく日本語を母語としない作家の受賞です
やっぱり母語ではない言語では生活するのも大変だし、小説を書くとなるとほんとうに大変。だから楊逸さんもずっと尊敬していました。今回、非日本語話者の2人目の受賞者になってほんとうに光栄に思います。
――選考委員の松浦寿輝さんがこの作品は日本語や日本文学の未来を新しくしていくようなものであると。日本の文学史上でどういった役割を担いたいですか
これまで作品で一作ごとに日本文学というものを確実にアップデートしてきたという自負はある。私は自分が大事だと思っている問題意識を小説に取り込んで、自分が書きたいものを書いていくことに尽きる。
――過去の作品では台湾の「ひまわり学生運動」を書き、本作でも歴史が語られる。社会と文学のかかわりで考えていることは
あくまでも私の理解では、ここ数十年の日本文学では政治に言及したり社会の問題に踏み込んだりすることに抵抗感があるような気がする。政治に批判する意味を込めた小説を書くと欠点のように言われるが、別にあってもいいんじゃないかと思う。それは私を培ってきた台湾文学の土壌にそういう特徴があったからじゃないかとも思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0259f36f9b91190251ee60135db4a6f294565809
地続きの場所として描かれる「島」
『彼岸花が咲く島』は、フェミニスト・ユートピアの正統的系譜を継ぐ傑作である。
李琴峰の『彼岸花が咲く島』も、そうした世界の広い潮流のなかに、その最先端に位置づけられると、わたしは感じている。この作品を、自分たちの住む世界から遠いどこかに島の物語と思うなかれ。ここに描かれる島はわたしたちのいる場所と地続きなのだ。
砂浜に倒れた少女は記憶をなくしており、彼岸花を採りにきた島の娘「游娜(ヨナ)」に見つけられる。海のむこうの「ニライカナイ」から来たから、「霧実(ウミ)」と名づけられるが、名をもらった本人が漢字を覚えられないため、「宇実(ウミ)」という名に落ち着く。游娜は宇実にほんのりとした恋心に似た感情を抱くようになる。
李さんは89年、台湾生まれ。台湾大学卒業後の2013年に来日し、17年に日本語で初めて書いた小説で作家デビューした。芥川賞の候補入りは2度目だった。受賞作は「ニホン語」と「女語(じょご)」という二つの言語がある架空の島の習俗や歴史を、ジェンダーをめぐる物語として描く。日本語が母語ではない作家の芥川賞受賞は、08年の楊逸(ヤンイー)さん以来、13年ぶり。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f60d65d0b75b1d133633b5e1c6557e2ae0d82d60
彼女の小説世界においても、性的マイノリティの登場人物は欠かせない。レズビアンやゲイ、トランスジェンダーなどLGBT に対して寛容で、日本でも高い人気を有するオードリー・タンIT大臣のような人材が活躍する台湾という社会の空気を、李琴峰はその作品のなかに色濃くまとわせている。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900308/
フェミニズム・ユートピア小説の最先端を示す芥川賞受賞作:李琴峰『彼岸花が咲く島』
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900306/