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Peter Apps
[29日 ロイター] - 9月は東欧諸国にとって神経を尖らせる時期になりそうだ。同月14日にロシアが開始する軍事演習は、冷戦期以来、最大の規模になる可能性がある。
ポーランド、ウクライナ、リトアニア、ラトビア、エストニアなどでは、各国の国境付近で行われる「ザパド(西方)2017」と呼ばれるロシア軍事演習が、軍事攻撃の「隠れみの」として使われるのではないかと、当局者らが懸念を口にする。
プーチン大統領は、通常戦力と核戦力の双方について、ロシアが再び大国としての地位を主張し、反発する近隣国を威圧するための手軽な道具だと考えている。クリミア併合以降の3年間に、ロシアの軍事活動は劇的に活発化している。
だが、西側諸国とロシアの対立激化は、決して軍事活動にとどまるものではない。
ロシアと西側の直接衝突が悲惨な結果を招くことを、ロシアや米国、他の西側政府は理解している。そのため、直接的な衝突ではなく、双方がもっと広範囲、かつ奇妙な形で対立するに至っている。米国民の多くはロシアを非難するが、ロシア国民の多くは違う見方をしている。
その原因の一端は、西側諸国に包囲されて貧窮化することを避けるためには、ロシア政府は自己主張しなければならない、というメッセージをロシアの官製メディアがひっきりなしに発信しているからだ。
そこでは西側諸国を、目的のために手段を選ばない、混乱と腐敗に満ちた社会として描き出しており、こうした見解は、ロシア国民の心情に深く浸透している。米国防情報局が6月発表した機密指定外の報告書によれば、ロシア指導者は、特にオバマ政時代、米政府が彼らの転覆を狙っていることを心の底から信じているという。
こうした思い込みのせいで、双方に損失を与え、不安定化を招く危険性が高まっている。そして、その危険が収まる兆候は見られない。
トランプ大統領は、いまだプーチン氏に気に入られたいと考えている兆候があるものの、議会と政府関係者の多くは、断じて、トランプ氏のロシア接近を許さないだろう。ロシアによる米大統領選に対する干渉やトランプ陣営の「ロシア疑惑」を巡る捜査が本格化しているだけに、それはなおさらだ。告発や暴露が間断なく続くなかで、この問題は米ロ関係にとってさらに深刻なものになっていくだろう。
(リンク先に続きあり)
2017年 9月 2日 2:41 PM JST
Peter Apps
[29日 ロイター] - 9月は東欧諸国にとって神経を尖らせる時期になりそうだ。同月14日にロシアが開始する軍事演習は、冷戦期以来、最大の規模になる可能性がある。
ポーランド、ウクライナ、リトアニア、ラトビア、エストニアなどでは、各国の国境付近で行われる「ザパド(西方)2017」と呼ばれるロシア軍事演習が、軍事攻撃の「隠れみの」として使われるのではないかと、当局者らが懸念を口にする。
プーチン大統領は、通常戦力と核戦力の双方について、ロシアが再び大国としての地位を主張し、反発する近隣国を威圧するための手軽な道具だと考えている。クリミア併合以降の3年間に、ロシアの軍事活動は劇的に活発化している。
だが、西側諸国とロシアの対立激化は、決して軍事活動にとどまるものではない。
ロシアと西側の直接衝突が悲惨な結果を招くことを、ロシアや米国、他の西側政府は理解している。そのため、直接的な衝突ではなく、双方がもっと広範囲、かつ奇妙な形で対立するに至っている。米国民の多くはロシアを非難するが、ロシア国民の多くは違う見方をしている。
その原因の一端は、西側諸国に包囲されて貧窮化することを避けるためには、ロシア政府は自己主張しなければならない、というメッセージをロシアの官製メディアがひっきりなしに発信しているからだ。
そこでは西側諸国を、目的のために手段を選ばない、混乱と腐敗に満ちた社会として描き出しており、こうした見解は、ロシア国民の心情に深く浸透している。米国防情報局が6月発表した機密指定外の報告書によれば、ロシア指導者は、特にオバマ政時代、米政府が彼らの転覆を狙っていることを心の底から信じているという。
こうした思い込みのせいで、双方に損失を与え、不安定化を招く危険性が高まっている。そして、その危険が収まる兆候は見られない。
トランプ大統領は、いまだプーチン氏に気に入られたいと考えている兆候があるものの、議会と政府関係者の多くは、断じて、トランプ氏のロシア接近を許さないだろう。ロシアによる米大統領選に対する干渉やトランプ陣営の「ロシア疑惑」を巡る捜査が本格化しているだけに、それはなおさらだ。告発や暴露が間断なく続くなかで、この問題は米ロ関係にとってさらに深刻なものになっていくだろう。
(リンク先に続きあり)
2017年 9月 2日 2:41 PM JST