医薬品「ヒルドイド」。クリニックなどで処方される保湿剤が、美容目的で使用されている実態が問題になっている。
医療費が増大することにもつながるこの問題。そもそもヒルドイドに美容効果はあるのだろうか。
◇
■美容目的のヒルドイド処方希望者が急増
−都内の皮膚科クリニック。ある医薬品を求める患者の急増に困惑していた。
よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長「ヒルドイドが美肌にいいって聞いたから処方してくださいという患者さんが急増して。この3年ぐらいですね」
アトピー性皮膚炎の人や肌が乾燥しやすい子どもらに処方されている塗り薬のヒルドイド。このヒルドイドを美容目的で求める人が後を絶たないという。
街の声「結構ネットとかでも有名なんで、ヒルドイドってよく聞くので、
なんか高級クリーム3万円くらいの効果があるとか」「ハンドクリーム代わりに使ったりはしてました」
■美容目的の使用が増え、医療費が増大
ヒルドイドの価格はチューブ1本(25グラム)で約590円。自己負担が3割の人は、診察料などを除けば180円ほどで使用することができ、
残りは健康保険がカバーしてくれる。美容を目的とした使用が増え、医療費を増大させているとして、
ケースによっては保険の対象から外すべきだという指摘も出ているのだ。
健康保険組合連合会・幸野庄司理事「単なる皮膚乾燥症とかに対してヒルドイドのみが処方されているもの等については、
保険の対象とすべきではないということで」
この話題は1日で2万件以上のツイートを記録した。
ネットの声「保険適用外の危機だと」「適用外になると医療費更にかかり本当困る」「不正にもらうのはやめてほしい」
■そもそも本当に美容効果があるのか?
ヒルドイドが美容に良いという考えは、どうして広まったのか。インターネットを見てみると、「最強の美容成分ヒルドイド」
「究極のアンチエージング」「シワを予防して美肌を保つ」と書かれたサイトまであった。さらに、
「3万円の高級乳液より効果があると思います」と医師のコメントを紹介しているものもあった。
こうしたネットや雑誌などの情報から、ヒルドイドを美容目的で使う人が増えているとみられている。
美容効果について医師は…。
よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長「ヒルドイドに美容効果はありません。ヒルドイドは保湿の血行促進のお薬です。
保湿されるとシワが防げると思っている人がいるんですけど、そこが間違いなんです」
ヒルドイドには美容効果がないと断言。さらに副作用のリスクもあるという。
よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長「病院でくれるものだから安全だ、子どもが塗っていいものなんだから誰が塗っても安全だとか、
両方とも間違いです。(体に)合わなければかぶれてしまうこともありますし、あとはお顔に使って、ニキビが出てしまうということも見たことがあります」
■年間93億円…医療費増大で“保険外”に?
そして、保険が適用されるヒルドイドの美容目的での使用が、医療費の増大を招いているという問題も。全国の健康保険組合でつくる団体は…。
健康保険組合連合会・幸野庄司理事「(医療費が)年間93億円使用されているという実態が推計されると」
ヒルドイドやその後発薬を美容目的で処方されている疑いがある医療費は、年間93億円にのぼると推計しているという。
健康保険組合連合会・幸野庄司理事「国民全体が医薬品の適正利用をしていく必要があるということで、今回、提言をさせていただいたと」
ヒルドイドなどを単独で処方を受ける患者には、保険の対象化をすべきではないという提言をまとめた。
街の声「(子どもに保湿剤を)毎日塗っていますので、困ります」「他でも代用できるものがあればそれでもいいかなって思ってるんですけど、
でも肌が弱くて、合う合わないとかがあるから」
こうした事態に厚生労働省は、保険の適用外にするにはまだ議論の余地があるとしていて、
1回の診療で処方できる量の上限を決めるなど、適正な処方に向けて議論を重ねていくという。
日テレ
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20171103-00000061-nnn-soci
医療費が増大することにもつながるこの問題。そもそもヒルドイドに美容効果はあるのだろうか。
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■美容目的のヒルドイド処方希望者が急増
−都内の皮膚科クリニック。ある医薬品を求める患者の急増に困惑していた。
よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長「ヒルドイドが美肌にいいって聞いたから処方してくださいという患者さんが急増して。この3年ぐらいですね」
アトピー性皮膚炎の人や肌が乾燥しやすい子どもらに処方されている塗り薬のヒルドイド。このヒルドイドを美容目的で求める人が後を絶たないという。
街の声「結構ネットとかでも有名なんで、ヒルドイドってよく聞くので、
なんか高級クリーム3万円くらいの効果があるとか」「ハンドクリーム代わりに使ったりはしてました」
■美容目的の使用が増え、医療費が増大
ヒルドイドの価格はチューブ1本(25グラム)で約590円。自己負担が3割の人は、診察料などを除けば180円ほどで使用することができ、
残りは健康保険がカバーしてくれる。美容を目的とした使用が増え、医療費を増大させているとして、
ケースによっては保険の対象から外すべきだという指摘も出ているのだ。
健康保険組合連合会・幸野庄司理事「単なる皮膚乾燥症とかに対してヒルドイドのみが処方されているもの等については、
保険の対象とすべきではないということで」
この話題は1日で2万件以上のツイートを記録した。
ネットの声「保険適用外の危機だと」「適用外になると医療費更にかかり本当困る」「不正にもらうのはやめてほしい」
■そもそも本当に美容効果があるのか?
ヒルドイドが美容に良いという考えは、どうして広まったのか。インターネットを見てみると、「最強の美容成分ヒルドイド」
「究極のアンチエージング」「シワを予防して美肌を保つ」と書かれたサイトまであった。さらに、
「3万円の高級乳液より効果があると思います」と医師のコメントを紹介しているものもあった。
こうしたネットや雑誌などの情報から、ヒルドイドを美容目的で使う人が増えているとみられている。
美容効果について医師は…。
よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長「ヒルドイドに美容効果はありません。ヒルドイドは保湿の血行促進のお薬です。
保湿されるとシワが防げると思っている人がいるんですけど、そこが間違いなんです」
ヒルドイドには美容効果がないと断言。さらに副作用のリスクもあるという。
よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長「病院でくれるものだから安全だ、子どもが塗っていいものなんだから誰が塗っても安全だとか、
両方とも間違いです。(体に)合わなければかぶれてしまうこともありますし、あとはお顔に使って、ニキビが出てしまうということも見たことがあります」
■年間93億円…医療費増大で“保険外”に?
そして、保険が適用されるヒルドイドの美容目的での使用が、医療費の増大を招いているという問題も。全国の健康保険組合でつくる団体は…。
健康保険組合連合会・幸野庄司理事「(医療費が)年間93億円使用されているという実態が推計されると」
ヒルドイドやその後発薬を美容目的で処方されている疑いがある医療費は、年間93億円にのぼると推計しているという。
健康保険組合連合会・幸野庄司理事「国民全体が医薬品の適正利用をしていく必要があるということで、今回、提言をさせていただいたと」
ヒルドイドなどを単独で処方を受ける患者には、保険の対象化をすべきではないという提言をまとめた。
街の声「(子どもに保湿剤を)毎日塗っていますので、困ります」「他でも代用できるものがあればそれでもいいかなって思ってるんですけど、
でも肌が弱くて、合う合わないとかがあるから」
こうした事態に厚生労働省は、保険の適用外にするにはまだ議論の余地があるとしていて、
1回の診療で処方できる量の上限を決めるなど、適正な処方に向けて議論を重ねていくという。
日テレ
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20171103-00000061-nnn-soci