ごみ収集や街の美化を担う奈良市環境部で、不祥事の連鎖が止まらない。昨年は懲戒免職3件を含む23件の懲戒処分が相次ぎ、今年も病気休暇中に売店の売り子に精を出していた職員が明るみに。過去にさかのぼれば、5年9カ月でたった8日間しか出勤しなかったにもかかわらず、2千万円を超える給与が満額支給されるという信じがたいケースもあった。勤務中に無断で職場を離れる「中抜け」の常習者がいたり、職場にプレハブ小屋を設置して大量のアダルトビデオを保管したり…(5〜6ページの不祥事の表参照)。やりたい放題の一部職員らに市はこれまでどう対処してきたのか。(神田啓晴)
夏場に4年連続で「病気休暇」40日超
売店でせっせと焼きそばを焼き、フランクフルトを並べる男−。市環境部まち美化推進課の男性職員(49)が、奈良県大和郡山市の県営「まほろば健康パーク」内の飲食コーナーで「売り子」をしていたことが9月上旬、在阪民放テレビ局の報道で明らかになった。
市によると、男性職員は7月20日〜8月31日、精神疾患を理由に病気休暇を取得。この間を含む計46日間、フルタイムで妻が経営する同コーナーで焼きそばやフランクフルトの販売、客の呼び込みなどを行った。
市はこうした事実を裏付けた上で、地方公務員法が規定する「営利企業等の従事制限」に実質的に違反したとして、11月20日に停職6カ月の懲戒処分とした。
その際、職員の病休取得履歴も明らかになったが、これが驚くべきもので、平成26(2012)年から4年連続で41〜49日間の病休を7〜8月にかけて集中的に取得していた。当然、毎年同じように休暇を不正取得してアルバイトをしていた疑いが浮かぶ。
「どうして懲戒免職ではなく、停職止まりなのか」。納得がいかず、取材の過程で市側に質問したが、担当者は「過去3年に関しては、プールには行ったと聞いているが、業務に携わった証拠がない」と説明。仲川げん市長も「根拠を明確にしないと処分はできない」と苦渋の表情を見せたが、市民感情に照らせば甘すぎる処分と言わざるを得ない。
「中抜け」横行、AV鑑賞ルームも
市環境部で市民をあ然とさせる不祥事が明るみに出るようになったのは、11年前にさかのぼる。18年10月、環境清美部(当時)の男性職員=同(42)=が過去5年9カ月でわずか8日間しか出勤しなかったのに、給与がほぼ満額(2千万円余り)支給されていたことが発覚。職員は懲戒免職処分となり、当時の市長を含む27人が減給や戒告処分となった。
▼【関連の写真】ゴミ屋敷のような車庫が今は…(こちらをクリック)
http://www.sankei.com/west/photos/171225/wst1712250004-p2.html
これが発端となり、不自然な病気休暇取得が横行していた実態が明るみに。その後の調査で、同部職員ら18人が同じく5年9カ月で487〜1195日間も欠勤していたことが分かった。19〜23年度に5年連続で年間30日以上の病休を取得した職員は7人に上り、風邪を理由に1〜4日程度の病休を10回、20回と繰り返していた事例もあった。
また、19年10月には、男性職員2人がごみの収集作業を終えた後、無断で外出し、終業時間前に職場に戻る「中抜け」を繰り返していたことが発覚。さらには、上司に暴力を振るった職員が停職処分中に大分国体のボウリング競技に県代表として出場したほか、ゴミとして回収した自転車51台を盗んだとして逮捕された職員も。
昨夏には、ごみ処理施設「環境清美センター」の駐車場内に職員が無断でトレーニングルームを設置し、エアコンや冷蔵庫、テレビ、アダルトビデオを備えたプレハブ小屋まで作っていたことが明るみに。まさにやりたい放題、無法地帯というべき実態だ。
職場に空になった一升瓶が
市も対策に手を焼いている。タイムカードの「代打ち」をなくすため静脈認証システムを導入する“荒療治”も一時検討。これは労組や市議会などの反対で実現しなかったが、25年5月には「中抜け」対策として、環境清美センターに出入りする車両のナンバーを識別できる高精度の監視カメラ4台を設置した。
さらに、今回の「売り子」をしていた職員の処分を受け、たとえ1日の病休願いであっても市指定産業医による診断書の確認を義務づけた。
以下全文はソース先をお読み下さい
配信2017.12.25 11:00
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/171225/wst1712250004-n1.html
夏場に4年連続で「病気休暇」40日超
売店でせっせと焼きそばを焼き、フランクフルトを並べる男−。市環境部まち美化推進課の男性職員(49)が、奈良県大和郡山市の県営「まほろば健康パーク」内の飲食コーナーで「売り子」をしていたことが9月上旬、在阪民放テレビ局の報道で明らかになった。
市によると、男性職員は7月20日〜8月31日、精神疾患を理由に病気休暇を取得。この間を含む計46日間、フルタイムで妻が経営する同コーナーで焼きそばやフランクフルトの販売、客の呼び込みなどを行った。
市はこうした事実を裏付けた上で、地方公務員法が規定する「営利企業等の従事制限」に実質的に違反したとして、11月20日に停職6カ月の懲戒処分とした。
その際、職員の病休取得履歴も明らかになったが、これが驚くべきもので、平成26(2012)年から4年連続で41〜49日間の病休を7〜8月にかけて集中的に取得していた。当然、毎年同じように休暇を不正取得してアルバイトをしていた疑いが浮かぶ。
「どうして懲戒免職ではなく、停職止まりなのか」。納得がいかず、取材の過程で市側に質問したが、担当者は「過去3年に関しては、プールには行ったと聞いているが、業務に携わった証拠がない」と説明。仲川げん市長も「根拠を明確にしないと処分はできない」と苦渋の表情を見せたが、市民感情に照らせば甘すぎる処分と言わざるを得ない。
「中抜け」横行、AV鑑賞ルームも
市環境部で市民をあ然とさせる不祥事が明るみに出るようになったのは、11年前にさかのぼる。18年10月、環境清美部(当時)の男性職員=同(42)=が過去5年9カ月でわずか8日間しか出勤しなかったのに、給与がほぼ満額(2千万円余り)支給されていたことが発覚。職員は懲戒免職処分となり、当時の市長を含む27人が減給や戒告処分となった。
▼【関連の写真】ゴミ屋敷のような車庫が今は…(こちらをクリック)
http://www.sankei.com/west/photos/171225/wst1712250004-p2.html
これが発端となり、不自然な病気休暇取得が横行していた実態が明るみに。その後の調査で、同部職員ら18人が同じく5年9カ月で487〜1195日間も欠勤していたことが分かった。19〜23年度に5年連続で年間30日以上の病休を取得した職員は7人に上り、風邪を理由に1〜4日程度の病休を10回、20回と繰り返していた事例もあった。
また、19年10月には、男性職員2人がごみの収集作業を終えた後、無断で外出し、終業時間前に職場に戻る「中抜け」を繰り返していたことが発覚。さらには、上司に暴力を振るった職員が停職処分中に大分国体のボウリング競技に県代表として出場したほか、ゴミとして回収した自転車51台を盗んだとして逮捕された職員も。
昨夏には、ごみ処理施設「環境清美センター」の駐車場内に職員が無断でトレーニングルームを設置し、エアコンや冷蔵庫、テレビ、アダルトビデオを備えたプレハブ小屋まで作っていたことが明るみに。まさにやりたい放題、無法地帯というべき実態だ。
職場に空になった一升瓶が
市も対策に手を焼いている。タイムカードの「代打ち」をなくすため静脈認証システムを導入する“荒療治”も一時検討。これは労組や市議会などの反対で実現しなかったが、25年5月には「中抜け」対策として、環境清美センターに出入りする車両のナンバーを識別できる高精度の監視カメラ4台を設置した。
さらに、今回の「売り子」をしていた職員の処分を受け、たとえ1日の病休願いであっても市指定産業医による診断書の確認を義務づけた。
以下全文はソース先をお読み下さい
配信2017.12.25 11:00
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/171225/wst1712250004-n1.html