週刊新潮:2018年1月1日
http://www.dailyshincho.jp/article/2018/01011733/?all=1
(全文はソースで)
http://www.dailyshincho.jp/wp-content/uploads/2018/01/1801011600_11.jpg
初詣客が激減した富岡八幡宮
■お祓いも効果なし?
2018年の幕が開く中、これほどマスコミの注目を集めた“宗教施設”はなかっただろう。もちろん、富岡八幡宮(東京都江東区)の話だ。
***
元宮司の富岡茂永容疑者(56)と妻・真里子容疑者(49)が、宮司で姉の富岡長子さん(58)らを八幡宮周辺で襲撃。
日本刀などで長子さんを殺害し、男性運転手(33)に重傷を負わせた。その上で容疑者夫婦は自害して果てたという、あまりにもおぞましい犯行だった。
更に茂永容疑者の遺書が多くの関係者に送られていたことが判明する。文中では数点の要求を列挙し、それが叶わなかった場合は、
《死後に於いてもこの世(富岡八幡宮)に残り、怨霊となり、神輿総代会の幹事総代とその子孫達を永遠に祟り続けます》
と書かれていたのだから、どうしても報道の関心は「2018年の初詣客は多いのか少ないのか」に向かってしまう。
多くの人に覚えがあるだろうが、世間のあちこちでは
「祟りなんて言われたら、初詣なんて行くはずがない」、
「いや、野次馬根性は馬鹿にできない。それに『縁切り寺』ならぬ、『縁切り神社』として注目を集めるかもしれない」と活発な議論も行われたようだ。
マスコミも「富岡八幡宮、宮司殺害事件の“残響”色濃く…望めぬ初詣客に地元商店街悲鳴」(サンスポ電子版・17年12月31日)といった報道を行う。
当然ながら(?)初詣客の減少を懸念して、富岡八幡宮側も万全の対策を講じてきた。
「宮司殺害…富岡八幡宮でお祓い『清祓式』」(日テレNEWS24電子版・同28日)のニュースが全てを物語っている。
そして遂に、2018年の元日を迎えた。東京都内は快晴。絵に書いたような日本晴れとなった地域も多く、絶好の初詣日和となった。
http://www.dailyshincho.jp/wp-content/uploads/2018/01/1801011600_2.jpg
参拝客で賑わう深川不動尊
■混んでいたのは深川不動尊という現実
最初は安堵の声が漏れたようだ。「富岡八幡宮、初詣に100メートル行列 日付変わった瞬間に歓声も」(サンスポ電子版・1月1日午前4時2分)は、
《午前0時直前にドッと参拝客が詰めかけ、本殿まで約100メートルの行列が。日付が変わった瞬間には歓声も沸き、地元関係者は「普段とそんなに変わらない」とホッとした表情》
と報じた。しかし、テレビ朝日が午前11時47分に自社サイトにアップした「紅富士も空からの初日の出も 各地で年越し」のニュースは、午前10時ごろに境内が閑散とした様子を動画で伝えた。
そして弊誌記者は午後1時ごろ、最寄り駅の東京メトロ東西線・門前仲町駅に到着。意外にも改札から出口に続く地下道は相当な混雑だ。
記者が「サンスポが正解で、テレ朝は誤報だったか?」と考えていると、多くの人は出口を右折する。左折すれば富岡八幡宮だが、右折した先にあるのは深川不動尊だ。
記者も人波の後をついていこうとするが、深川不動尊の参拝客で地下鉄出口周辺は大混雑。
誘導担当の係員が大声で整列を呼びかける姿を尻目に、記者は雑踏の中で逆に左折、富岡八幡宮に踵を返すと、次第に人が少なくなっていくのが分かる。
■茂永・真理子両容疑者が“平穏”を得る日
そして富岡八幡宮の境内に到着。「閑散としている」というのは言い過ぎだが、混雑とは程遠い状況だ。
記者は公道上から写真を撮る。何度も繰り返すが、写真だと混み合った感じが出てしまう。とはいえ実際は、住宅街に位置する無名の神社に近隣の参拝客が訪れている、というぐらいの人混みだ。
賽銭箱に向かって、一応は行列ができている。だが、並んでみるとスカスカだ。相当数の警備員が誘導するが、彼らも手持ち無沙汰な印象を受ける。
警察官も数人が立っているが、単純な警備というよりは、「惨劇の再発を防ごう」と気合を漲らせた視線を四方に向けているように見えて仕方がない。
賽銭を投げ込み、記者は柏手を打つ。記者曰く「これまでに初詣では家内安全や仕事運の好調などをお願いしてきましたが、被害者の鎮魂や、八幡宮の安寧を祈ったのは人生で初めての経験です」とのこと。
(以下省略)
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初詣客が激減した富岡八幡宮
■お祓いも効果なし?
2018年の幕が開く中、これほどマスコミの注目を集めた“宗教施設”はなかっただろう。もちろん、富岡八幡宮(東京都江東区)の話だ。
***
元宮司の富岡茂永容疑者(56)と妻・真里子容疑者(49)が、宮司で姉の富岡長子さん(58)らを八幡宮周辺で襲撃。
日本刀などで長子さんを殺害し、男性運転手(33)に重傷を負わせた。その上で容疑者夫婦は自害して果てたという、あまりにもおぞましい犯行だった。
更に茂永容疑者の遺書が多くの関係者に送られていたことが判明する。文中では数点の要求を列挙し、それが叶わなかった場合は、
《死後に於いてもこの世(富岡八幡宮)に残り、怨霊となり、神輿総代会の幹事総代とその子孫達を永遠に祟り続けます》
と書かれていたのだから、どうしても報道の関心は「2018年の初詣客は多いのか少ないのか」に向かってしまう。
多くの人に覚えがあるだろうが、世間のあちこちでは
「祟りなんて言われたら、初詣なんて行くはずがない」、
「いや、野次馬根性は馬鹿にできない。それに『縁切り寺』ならぬ、『縁切り神社』として注目を集めるかもしれない」と活発な議論も行われたようだ。
マスコミも「富岡八幡宮、宮司殺害事件の“残響”色濃く…望めぬ初詣客に地元商店街悲鳴」(サンスポ電子版・17年12月31日)といった報道を行う。
当然ながら(?)初詣客の減少を懸念して、富岡八幡宮側も万全の対策を講じてきた。
「宮司殺害…富岡八幡宮でお祓い『清祓式』」(日テレNEWS24電子版・同28日)のニュースが全てを物語っている。
そして遂に、2018年の元日を迎えた。東京都内は快晴。絵に書いたような日本晴れとなった地域も多く、絶好の初詣日和となった。
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参拝客で賑わう深川不動尊
■混んでいたのは深川不動尊という現実
最初は安堵の声が漏れたようだ。「富岡八幡宮、初詣に100メートル行列 日付変わった瞬間に歓声も」(サンスポ電子版・1月1日午前4時2分)は、
《午前0時直前にドッと参拝客が詰めかけ、本殿まで約100メートルの行列が。日付が変わった瞬間には歓声も沸き、地元関係者は「普段とそんなに変わらない」とホッとした表情》
と報じた。しかし、テレビ朝日が午前11時47分に自社サイトにアップした「紅富士も空からの初日の出も 各地で年越し」のニュースは、午前10時ごろに境内が閑散とした様子を動画で伝えた。
そして弊誌記者は午後1時ごろ、最寄り駅の東京メトロ東西線・門前仲町駅に到着。意外にも改札から出口に続く地下道は相当な混雑だ。
記者が「サンスポが正解で、テレ朝は誤報だったか?」と考えていると、多くの人は出口を右折する。左折すれば富岡八幡宮だが、右折した先にあるのは深川不動尊だ。
記者も人波の後をついていこうとするが、深川不動尊の参拝客で地下鉄出口周辺は大混雑。
誘導担当の係員が大声で整列を呼びかける姿を尻目に、記者は雑踏の中で逆に左折、富岡八幡宮に踵を返すと、次第に人が少なくなっていくのが分かる。
■茂永・真理子両容疑者が“平穏”を得る日
そして富岡八幡宮の境内に到着。「閑散としている」というのは言い過ぎだが、混雑とは程遠い状況だ。
記者は公道上から写真を撮る。何度も繰り返すが、写真だと混み合った感じが出てしまう。とはいえ実際は、住宅街に位置する無名の神社に近隣の参拝客が訪れている、というぐらいの人混みだ。
賽銭箱に向かって、一応は行列ができている。だが、並んでみるとスカスカだ。相当数の警備員が誘導するが、彼らも手持ち無沙汰な印象を受ける。
警察官も数人が立っているが、単純な警備というよりは、「惨劇の再発を防ごう」と気合を漲らせた視線を四方に向けているように見えて仕方がない。
賽銭を投げ込み、記者は柏手を打つ。記者曰く「これまでに初詣では家内安全や仕事運の好調などをお願いしてきましたが、被害者の鎮魂や、八幡宮の安寧を祈ったのは人生で初めての経験です」とのこと。
(以下省略)