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3月5日 5時11分
アメリカのトランプ大統領が、今週にも発動を決める意向を示している鉄鋼製品などに高い関税を課す異例の輸入制限措置に対し、EU=ヨーロッパ連合が報復関税を検討していることについて、ロス商務長官は、アメリカ経済の規模からすれば影響はわずかだとして、強気の姿勢を崩しませんでした。
アメリカのトランプ大統領は、戦闘機や軍艦の製造に使われる鉄鋼やアルミニウムに、安全保障への脅威を理由に、高い関税を課す異例の輸入制限措置について、今週にも発動を決める意向を表明しています。
鉄鋼製品などは、中国で過剰に生産されて国際的な価格が押し下げられ、各国から不当に安く輸入されているとして、すべての国が措置の対象になる可能性が出ています。
これに対し、EU=ヨーロッパ連合が報復関税を検討していることについて、アメリカのロス商務長官は4日、テレビ番組のインタビューで、個々の製造業には影響があるかもしれないとしたうえで、「アメリカ経済の規模からすれば影響はとてもわずかなものだ」と述べ、強気の姿勢を崩しませんでした。
また、ロス商務長官は、日本など同盟国からの輸入による安全保障上の脅威とは何かと問われたのに対し、「この措置のもとでは、安全保障はとても幅広く定義されている。軍事的な防衛だけではなく経済への影響も含んでいる」と述べました。
この措置には、国内外の反発に加え、政権内にも反対意見が根強く、トランプ大統領の最終的な判断が注目されます。
英首相は懸念
イギリスのメイ首相は4日、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、アメリカが鉄鋼製品に25%の高い関税を課すなどの輸入制限措置を発動する意向を表明したことについて意見を交わしました。
メイ首相は「過剰生産の問題は多国間の取り組みで解決を目指すべきだ。それがすべての関係国の利益を守ることになる」と述べて、強い懸念を伝えたということです。
止まらぬ非難の応酬 きっかけは「安全保障」
トランプ大統領は1日、中国の過剰生産によって国際的に価格が下落して、各国から安く輸入されている鉄鋼製品がアメリカの安全保障の脅威になっているとして、大統領の権限で高い関税を課す異例の輸入制限措置を発動する意向を表明しました。
トランプ大統領は「鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の関税を課す。この措置は長い期間にわたるだろう」と述べ、今週にも正式に発動を決める意向を明らかにしました。
これを受けて、主な標的となる中国外務省の華春瑩報道官は「みずからを守るために、一方的な貿易制限措置を取るべきではない」と反発。中国政府は、アメリカの決定が、中国の利益に影響を与える場合、必要な措置を取ると強調しています。
今回の措置は、日本をはじめ、アメリカと同盟や友好関係にある国を含めてすべての国が対象になる可能性が出ています。
世耕経済産業大臣は、アメリカのロス商務長官と電話会談を行い、「日本の強い懸念を伝えるとともに、きたんのない議論を行った」と述べ、アメリカに対して直接、日本側の懸念を伝えたことを明らかにしました。また、EU=ヨーロッパ連合やカナダは対抗措置も辞さない姿勢を強調しました。貿易摩擦が激化することへの懸念から、ニューヨーク株式市場をはじめ、各地の市場で、株価が値下がりするなど、動揺は世界に広がりました。
こうした中、トランプ大統領は2日、ツイッターに「アメリカは、事実上、すべての国々との貿易で、何十億ドルもの損失を出している。そういう時は、貿易戦争だってかまわない。勝つのは簡単だ」と投稿し、貿易の不均衡の是正に向けてみずからの政策を正当化し、強気の姿勢を強調しました。
「貿易戦争」も辞さない姿勢を強調したトランプ大統領の発言には、国際機関も懸念を表明。WTO=世界貿易機関のアゼベド事務局長が2日、「状況は一段と悪化するおそれがある。貿易戦争はどの国にとっても利益とならない」というコメントを発表したほか、IMF=国際通貨基金も「今回の措置は、鉄鋼やアルミを使う製造業などアメリカ経済にも悪影響を与える可能性がある」という声明を出し、強い懸念が相次いで示されました。
(リンク先に続きあり)
3月5日 5時11分
アメリカのトランプ大統領が、今週にも発動を決める意向を示している鉄鋼製品などに高い関税を課す異例の輸入制限措置に対し、EU=ヨーロッパ連合が報復関税を検討していることについて、ロス商務長官は、アメリカ経済の規模からすれば影響はわずかだとして、強気の姿勢を崩しませんでした。
アメリカのトランプ大統領は、戦闘機や軍艦の製造に使われる鉄鋼やアルミニウムに、安全保障への脅威を理由に、高い関税を課す異例の輸入制限措置について、今週にも発動を決める意向を表明しています。
鉄鋼製品などは、中国で過剰に生産されて国際的な価格が押し下げられ、各国から不当に安く輸入されているとして、すべての国が措置の対象になる可能性が出ています。
これに対し、EU=ヨーロッパ連合が報復関税を検討していることについて、アメリカのロス商務長官は4日、テレビ番組のインタビューで、個々の製造業には影響があるかもしれないとしたうえで、「アメリカ経済の規模からすれば影響はとてもわずかなものだ」と述べ、強気の姿勢を崩しませんでした。
また、ロス商務長官は、日本など同盟国からの輸入による安全保障上の脅威とは何かと問われたのに対し、「この措置のもとでは、安全保障はとても幅広く定義されている。軍事的な防衛だけではなく経済への影響も含んでいる」と述べました。
この措置には、国内外の反発に加え、政権内にも反対意見が根強く、トランプ大統領の最終的な判断が注目されます。
英首相は懸念
イギリスのメイ首相は4日、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、アメリカが鉄鋼製品に25%の高い関税を課すなどの輸入制限措置を発動する意向を表明したことについて意見を交わしました。
メイ首相は「過剰生産の問題は多国間の取り組みで解決を目指すべきだ。それがすべての関係国の利益を守ることになる」と述べて、強い懸念を伝えたということです。
止まらぬ非難の応酬 きっかけは「安全保障」
トランプ大統領は1日、中国の過剰生産によって国際的に価格が下落して、各国から安く輸入されている鉄鋼製品がアメリカの安全保障の脅威になっているとして、大統領の権限で高い関税を課す異例の輸入制限措置を発動する意向を表明しました。
トランプ大統領は「鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の関税を課す。この措置は長い期間にわたるだろう」と述べ、今週にも正式に発動を決める意向を明らかにしました。
これを受けて、主な標的となる中国外務省の華春瑩報道官は「みずからを守るために、一方的な貿易制限措置を取るべきではない」と反発。中国政府は、アメリカの決定が、中国の利益に影響を与える場合、必要な措置を取ると強調しています。
今回の措置は、日本をはじめ、アメリカと同盟や友好関係にある国を含めてすべての国が対象になる可能性が出ています。
世耕経済産業大臣は、アメリカのロス商務長官と電話会談を行い、「日本の強い懸念を伝えるとともに、きたんのない議論を行った」と述べ、アメリカに対して直接、日本側の懸念を伝えたことを明らかにしました。また、EU=ヨーロッパ連合やカナダは対抗措置も辞さない姿勢を強調しました。貿易摩擦が激化することへの懸念から、ニューヨーク株式市場をはじめ、各地の市場で、株価が値下がりするなど、動揺は世界に広がりました。
こうした中、トランプ大統領は2日、ツイッターに「アメリカは、事実上、すべての国々との貿易で、何十億ドルもの損失を出している。そういう時は、貿易戦争だってかまわない。勝つのは簡単だ」と投稿し、貿易の不均衡の是正に向けてみずからの政策を正当化し、強気の姿勢を強調しました。
「貿易戦争」も辞さない姿勢を強調したトランプ大統領の発言には、国際機関も懸念を表明。WTO=世界貿易機関のアゼベド事務局長が2日、「状況は一段と悪化するおそれがある。貿易戦争はどの国にとっても利益とならない」というコメントを発表したほか、IMF=国際通貨基金も「今回の措置は、鉄鋼やアルミを使う製造業などアメリカ経済にも悪影響を与える可能性がある」という声明を出し、強い懸念が相次いで示されました。
(リンク先に続きあり)