https://amd.c.yimg.jp/amd/20190525-00192960-hbolz-000-2-view.png
■「ぱちんこ依存相談機関RSN」の活動報告
※省略
■RSNに寄せられる相談は1日24件
※省略
RSNが5月20日に公表した、2018年度の活動報告を見ると、興味深い内容がいくつかあったので紹介したい。
まずは、誰が電話を掛けてくるのか。
電話相談者の8割強は本人、その他2割程度は家族や友人という。相談者(本人)のうち、男性は73%、女性が27%となっている。家族・友人のカテゴリーでは、配偶者や親が全体の60%を占めており、子供・兄弟が19%、恋人・友人が18%と続く。
相談内容はそのほとんどが、「パチンコをやめ(させ)る方法を知りたい」というものであり、相談全体の70%を占める。
このような相談に対しRSNは、
@相談者が利用できる公的機関や民間団体の紹介(40%)
A相談者本人による解決の促し(60%)
のどちらかを行っている。
相談者が利用できる公的機関や民間団体も複数あるが、その中でも主だった紹介先は、精神保健福祉センターか、もしくはGA(ギャンブラーズ・アノニマス)である。精神保健福祉センターに関しては、改めて相談をする事が出来、専門家の判断によって、医療機関やその他必要な機関への紹介を受ける事が可能だ。
GAについては、初めて耳にする人もいるだろうが、民間が行っているギャンブル依存から脱するための会議体であり、その歴史も長い。興味がある方は一度HPを見てみるのも良いだろう。
その他、数多の相談内容を、様々な形で分析しており、ギャンブル等依存症問題に興味がある人であれば是非この報告書に目を通すべきだろう。
■だが、多くの相談者はパチンコ以外の問題を抱えていた
その中で、筆者が特に注目したのは、相談者のうち「ぱちんこ以外の関連問題」を抱えている人がとても多かった事である。
報告書によれば、以下の通りだ。
(2018年10〜12月の相談より)本人の初回相談776件のうち、408件でぱちんこ以外の問題の有無について聴き取ることができた。ぱちんこ以外の問題が併存していたのは161件(39%)であった。(問題の内容については複数回答を含む)
ぱちんこ以外の問題の内訳は、問題があった161件のうち、統合失調症やうつ病、発達障害、双極性障害など「狭義の精神障がい」が91件(57%)を占めていた。次いで多かった「その他」には、
”@「狭義の精神障がい」以外の精神的な問題(うつ状態、人格障がい、不安障がい、適応障がいなど。医師の診察によらない本人申告を含む)
A精神科の医療機関に通院中だが、病名を告知されていない
B精神科の医療機関に通院中だが、相談電話では病名を明かしたくない
C精神科の医療機関に通院していないが、相談の会話のなかに不眠や気分の落ち込みなどの症状の訴えがある、という4つのカテゴリーに該当する相談が含まれる。”
と記されている。
■「公営ギャンブルさえなくなれば」は短絡的な考え
マスコミだけではなく、国会や地方議会においても、安易に「ギャンブル依存症」の声が聞かれるが、問題を抱えている人のその内実はとても複雑であることが読み取れる。本人や家族・友人が、パチンコへの依存が問題であると思っていても、問題の根本は違う所にある場合もあるという事だ(もちろん、パチンコやパチスロにのみ問題がある場合もある)。
まだ多くの人は知らないが、5月14日〜20日まで、初めて「ギャンブル等依存症問題啓発週間」の活動が実施された。パチンコ業界のみならず、民間団体でも、この啓発週間のあいだ、シンポジウムやフォーラムを開催し、業界内外にその重要性を喚起した。
パチンコが無くなれば、公営ギャンブルが無くなれば、カジノを作らなければ、こんな問題が無くなると一笑に付すことは、あえて安易な考えであると言いたい。
何かを排除する事は簡単な事だ。しかしパチンコでも競馬でも競輪でも競艇でも、それを楽しみにしている人がいる。それは決して悪ではない。その観点から、しかし様々な問題を抱えている人がいるという事実を関係者らは認識し、最善策を講じていくことこそが、今一番求められているのだ。<文・安達夕>
5/25(土) 8:33配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190525-00192960-hbolz-soci
■「ぱちんこ依存相談機関RSN」の活動報告
※省略
■RSNに寄せられる相談は1日24件
※省略
RSNが5月20日に公表した、2018年度の活動報告を見ると、興味深い内容がいくつかあったので紹介したい。
まずは、誰が電話を掛けてくるのか。
電話相談者の8割強は本人、その他2割程度は家族や友人という。相談者(本人)のうち、男性は73%、女性が27%となっている。家族・友人のカテゴリーでは、配偶者や親が全体の60%を占めており、子供・兄弟が19%、恋人・友人が18%と続く。
相談内容はそのほとんどが、「パチンコをやめ(させ)る方法を知りたい」というものであり、相談全体の70%を占める。
このような相談に対しRSNは、
@相談者が利用できる公的機関や民間団体の紹介(40%)
A相談者本人による解決の促し(60%)
のどちらかを行っている。
相談者が利用できる公的機関や民間団体も複数あるが、その中でも主だった紹介先は、精神保健福祉センターか、もしくはGA(ギャンブラーズ・アノニマス)である。精神保健福祉センターに関しては、改めて相談をする事が出来、専門家の判断によって、医療機関やその他必要な機関への紹介を受ける事が可能だ。
GAについては、初めて耳にする人もいるだろうが、民間が行っているギャンブル依存から脱するための会議体であり、その歴史も長い。興味がある方は一度HPを見てみるのも良いだろう。
その他、数多の相談内容を、様々な形で分析しており、ギャンブル等依存症問題に興味がある人であれば是非この報告書に目を通すべきだろう。
■だが、多くの相談者はパチンコ以外の問題を抱えていた
その中で、筆者が特に注目したのは、相談者のうち「ぱちんこ以外の関連問題」を抱えている人がとても多かった事である。
報告書によれば、以下の通りだ。
(2018年10〜12月の相談より)本人の初回相談776件のうち、408件でぱちんこ以外の問題の有無について聴き取ることができた。ぱちんこ以外の問題が併存していたのは161件(39%)であった。(問題の内容については複数回答を含む)
ぱちんこ以外の問題の内訳は、問題があった161件のうち、統合失調症やうつ病、発達障害、双極性障害など「狭義の精神障がい」が91件(57%)を占めていた。次いで多かった「その他」には、
”@「狭義の精神障がい」以外の精神的な問題(うつ状態、人格障がい、不安障がい、適応障がいなど。医師の診察によらない本人申告を含む)
A精神科の医療機関に通院中だが、病名を告知されていない
B精神科の医療機関に通院中だが、相談電話では病名を明かしたくない
C精神科の医療機関に通院していないが、相談の会話のなかに不眠や気分の落ち込みなどの症状の訴えがある、という4つのカテゴリーに該当する相談が含まれる。”
と記されている。
■「公営ギャンブルさえなくなれば」は短絡的な考え
マスコミだけではなく、国会や地方議会においても、安易に「ギャンブル依存症」の声が聞かれるが、問題を抱えている人のその内実はとても複雑であることが読み取れる。本人や家族・友人が、パチンコへの依存が問題であると思っていても、問題の根本は違う所にある場合もあるという事だ(もちろん、パチンコやパチスロにのみ問題がある場合もある)。
まだ多くの人は知らないが、5月14日〜20日まで、初めて「ギャンブル等依存症問題啓発週間」の活動が実施された。パチンコ業界のみならず、民間団体でも、この啓発週間のあいだ、シンポジウムやフォーラムを開催し、業界内外にその重要性を喚起した。
パチンコが無くなれば、公営ギャンブルが無くなれば、カジノを作らなければ、こんな問題が無くなると一笑に付すことは、あえて安易な考えであると言いたい。
何かを排除する事は簡単な事だ。しかしパチンコでも競馬でも競輪でも競艇でも、それを楽しみにしている人がいる。それは決して悪ではない。その観点から、しかし様々な問題を抱えている人がいるという事実を関係者らは認識し、最善策を講じていくことこそが、今一番求められているのだ。<文・安達夕>
5/25(土) 8:33配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190525-00192960-hbolz-soci