■増える人生最後の選択肢、液状に分解する方法や堆肥化も
米国では過去4年で火葬が土葬を上回り、最も人気の葬送方法になったと、全米葬儀ディレクター協会が発表した。遺骨や遺灰を生まれ変わらせる独創的な方法もさかんに宣伝されている。プレスしてレコード盤にしたり、岩礁を造るのに利用したり、あるいは圧縮してダイヤモンドにしたりするのだ。
火葬はまた、死体防腐処理(エンバーミング)と棺を使用する土葬よりも、環境に優しい選択肢として宣伝されることが多い。費用だけではなく環境への配慮が、火葬人気の一因なのかもしれない。
「なかには、環境への配慮が理由の一つだという人もいます」と話すのは、米ワシントン州に本部を置く、人生最後の選択を支援する団体「ピープルズ・メモリアル・アソシエーション」の事務局長、ノラ・メンキン氏だ。
確かに、遺体にホルムアルデヒドを詰め込んで、コンクリートで囲って埋葬するよりは、火葬の方が、環境に与える害は小さい。それでも負荷はある。火葬には大量の燃料が必要であり、年間数百万トンの二酸化炭素を排出している。このため、一部の環境保護論者は、火葬の仕方を考え直そうとしている。
例えば米国の一般的な火葬では、「乗用車のガソリンタンクほぼ2つ分のエネルギーを消費し、温室効果ガスを排出します」と、メンキン氏は話す。「したがって、無害ではないのです」
■もっとクリーンな火葬へ
火葬による環境負荷は、地域や方法によって変わる。インドでは、ヒンドゥー教の古くからの伝統により、近親者が死ぬと野外にまきを積んで火葬する。そのためには大量の木を伐採する必要があり、火葬は大気と河川を汚染する。
こうした汚染を抑えようとする動きがある。非営利団体「モクシュダ・グリーン火葬システム」は、1992年以来、村々の葬儀で、従来よりも燃料効率の良い仕組みを利用できるようにしている。
モクシュダが行う火葬では、まきで熱した金属製の台を使う。まきを積んで燃やす伝統的な方法よりも短時間で、必要な木も少なくて済む。灰でいっぱいになった台をどかし、遺体を載せた別の台と入れ替えれば、次の火葬に移るのも容易だ。
現在、この設備はインド国内の9州約50カ所に広がっている。モクシュダの代表を務めるアンシュル・ガーグ氏によると、台1つで1日に45回ほどの火葬が可能という。まきの量も、従来は約400〜500キロ使っていたのを、100〜150キロに減らすことができたという。
「まきの必要量は、おおむね従来の4分の1を下回っています」と、ガーグ氏。
「伝統とは異なるこの方法に、反発がないわけではありません。しかし、1990年代に比べれば、人々はモクシュダのやり方に肯定的になっています」と、ガーグ氏は話す。事業を管理するチトラ・ケサルワニ氏によれば、インドでは15万を超す遺体がモクシュダの台を使用して火葬された。これにより、48万本以上の木を節約でき、川に流れ込む灰を約6万トン減らし、温室効果ガスの排出も6万トン削減した。
「アフリカやアジアの国々からも、まきを使う火葬の環境負荷を小さくしたいという問い合わせが来ています」と、ガーグ氏は話す。
続きはソースで
■参考動画:ガンジス川:聖なる都市の火葬
Cremation Fires Burn in Sacred City | The Ganges
https://youtu.be/4Onm-YWITb0
ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/110700644/
hindus believe cremation on thebanks of the
米国では過去4年で火葬が土葬を上回り、最も人気の葬送方法になったと、全米葬儀ディレクター協会が発表した。遺骨や遺灰を生まれ変わらせる独創的な方法もさかんに宣伝されている。プレスしてレコード盤にしたり、岩礁を造るのに利用したり、あるいは圧縮してダイヤモンドにしたりするのだ。
火葬はまた、死体防腐処理(エンバーミング)と棺を使用する土葬よりも、環境に優しい選択肢として宣伝されることが多い。費用だけではなく環境への配慮が、火葬人気の一因なのかもしれない。
「なかには、環境への配慮が理由の一つだという人もいます」と話すのは、米ワシントン州に本部を置く、人生最後の選択を支援する団体「ピープルズ・メモリアル・アソシエーション」の事務局長、ノラ・メンキン氏だ。
確かに、遺体にホルムアルデヒドを詰め込んで、コンクリートで囲って埋葬するよりは、火葬の方が、環境に与える害は小さい。それでも負荷はある。火葬には大量の燃料が必要であり、年間数百万トンの二酸化炭素を排出している。このため、一部の環境保護論者は、火葬の仕方を考え直そうとしている。
例えば米国の一般的な火葬では、「乗用車のガソリンタンクほぼ2つ分のエネルギーを消費し、温室効果ガスを排出します」と、メンキン氏は話す。「したがって、無害ではないのです」
■もっとクリーンな火葬へ
火葬による環境負荷は、地域や方法によって変わる。インドでは、ヒンドゥー教の古くからの伝統により、近親者が死ぬと野外にまきを積んで火葬する。そのためには大量の木を伐採する必要があり、火葬は大気と河川を汚染する。
こうした汚染を抑えようとする動きがある。非営利団体「モクシュダ・グリーン火葬システム」は、1992年以来、村々の葬儀で、従来よりも燃料効率の良い仕組みを利用できるようにしている。
モクシュダが行う火葬では、まきで熱した金属製の台を使う。まきを積んで燃やす伝統的な方法よりも短時間で、必要な木も少なくて済む。灰でいっぱいになった台をどかし、遺体を載せた別の台と入れ替えれば、次の火葬に移るのも容易だ。
現在、この設備はインド国内の9州約50カ所に広がっている。モクシュダの代表を務めるアンシュル・ガーグ氏によると、台1つで1日に45回ほどの火葬が可能という。まきの量も、従来は約400〜500キロ使っていたのを、100〜150キロに減らすことができたという。
「まきの必要量は、おおむね従来の4分の1を下回っています」と、ガーグ氏。
「伝統とは異なるこの方法に、反発がないわけではありません。しかし、1990年代に比べれば、人々はモクシュダのやり方に肯定的になっています」と、ガーグ氏は話す。事業を管理するチトラ・ケサルワニ氏によれば、インドでは15万を超す遺体がモクシュダの台を使用して火葬された。これにより、48万本以上の木を節約でき、川に流れ込む灰を約6万トン減らし、温室効果ガスの排出も6万トン削減した。
「アフリカやアジアの国々からも、まきを使う火葬の環境負荷を小さくしたいという問い合わせが来ています」と、ガーグ氏は話す。
続きはソースで
■参考動画:ガンジス川:聖なる都市の火葬
Cremation Fires Burn in Sacred City | The Ganges
https://youtu.be/4Onm-YWITb0
ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/110700644/
hindus believe cremation on thebanks of the