0001ちくわ ★2020/01/14(火) 19:09:28.11ID:6JWSNx+D9
https://bunshun.jp/articles/-/25486
2020/01/13
墜落したウクライナ機(2020年1月8日) cAFLO
https://bunshun.jp/mwimgs/e/a/-/img_ea39402ed4ef5d01e3922dff5da7e32b5242404.jpg
1月8日、イランの首都テヘランで、ウクライナ民間機が撃墜される大事件が起きました。当初、イランは旅客機側の技術的なトラブルだったと主張していましたが、1月11日には一転して「誤射による撃墜」と認めました。
その誤射をしたのは、革命防衛隊航空宇宙軍でした。事件後、現場で撮影された写真に革命防衛隊が保有するロシア製地対空ミサイルの一部が写っていたり、撃墜時に偶然撮影された映像が流出したりしたことで、ごまかしきれなくなったからでしょう。
しかし、当初ごまかそうとしていたことに、イラン国内でも批判の声が出ています。テヘランの大学では政府批判のデモも発生しました。イランでは2019年11月にも政府批判のデモが発生していて、弾圧の過程で1500人もの参加者が治安部隊に射殺されたといわれていますが、今回はどうなるか注目されています。
イランと米国の緊張は、1月3日に米軍がイランの革命防衛隊特殊部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことで、急速に高まっていました。「第三次世界大戦か!?」という声まで聞こえるほど報道も過熱していますが、実際のところ、イランと米国の対立構造は複雑で先行きは不透明です。
なかでもイランは「大統領と最高指導者がいる」という特殊な権力構造を持ち、紛争の前面に出て来る軍隊も「イスラム革命防衛隊」という国軍とは別の軍事組織となっていて、非常にわかりにくくなっています。
報道を見ていても、とにかく革命防衛隊ばかりが前面に出てきています。殺されたソレイマニ司令官は革命防衛隊の最高幹部。報復としてイラクの米軍基地をミサイル攻撃したのも革命防衛隊。間違ってウクライナ航空機を撃墜してしまったのも革命防衛隊……。ではこの革命防衛隊とは何者でしょうか?
ロウハニ大統領には一切、軍の指揮権はない
報道ではしばしば「革命防衛隊は国軍とは違い、ハメネイ最高指導者の直属の部隊だ」と解説されています。しかし、それは誤解を呼ぶ解説です。それだと「ロウハニ大統領は国軍を指揮するが、革命防衛隊は最高指導者の統帥権を盾に、イラン政府の意向に従わずに勝手に独自で動く」といった勘違いをされてしまいます。実のところは、指揮系統的には両軍は同格なのです。
イランでは国軍も革命防衛隊も、政府(大統領)の下にはありません。どちらも最高司令官はハメネイ最高指導者で、指揮系統にロウハニ大統領はいないのです。イランの軍事組織の指揮系統は以下のとおりです。
まず、最高司令官はハメネイ最高指導者です。しかし、最高指導者はすべての問題を自分で判断しているわけではなく、側近の助言に頼ります。その側近組織が「最高指導者室」。最高指導者室はいわゆる官房組織で、その中に、安全保障政策・対外戦略を統括する「最高指導者軍事室」があります。現在、その室長はムハマド・シラジ准将が務めています。そして、最高指導者軍事室の下に、「イラン・イスラム共和国軍総参謀部」が配置され、その統括者として「イラン・イスラム共和国軍総参謀長」がいます。現在、モハマド・バケリ少将がその任にありますが、この役職が、イランの軍部の制度的なトップになります。
そして、そのイラン・イスラム共和国総参謀部/総参謀長の統括下に「国軍」「イスラム革命防衛隊」「警察治安部隊」が置かれています。つまり、イランのすべての国家暴力装置がイラン・イスラム共和国軍総参謀長、最高指導者軍事室を通じて最高司令官のハメネイ最高指導者に繋がるという指揮系統になっているのです。しかし、実際には革命防衛隊のステータスは国軍よりもずっと高いものです。それは革命防衛隊の成り立ちに関係があります。
革命防衛隊は「イスラム革命」覇者のシンボル
そもそも革命防衛隊が誕生したのは、親米派政権を打倒するためのイスラム革命が起きた1979年。当時は、そのカリスマ的指導者だったホメイニ師の私兵でした。当初は、革命政権の中からイスラム保守派のライバルになりそうな勢力を暴力で排除する役目を担いましたが、翌80年にイラン・イラク戦争が勃発すると戦線に投入されます。
※続きはソースで
2020/01/13
墜落したウクライナ機(2020年1月8日) cAFLO
https://bunshun.jp/mwimgs/e/a/-/img_ea39402ed4ef5d01e3922dff5da7e32b5242404.jpg
1月8日、イランの首都テヘランで、ウクライナ民間機が撃墜される大事件が起きました。当初、イランは旅客機側の技術的なトラブルだったと主張していましたが、1月11日には一転して「誤射による撃墜」と認めました。
その誤射をしたのは、革命防衛隊航空宇宙軍でした。事件後、現場で撮影された写真に革命防衛隊が保有するロシア製地対空ミサイルの一部が写っていたり、撃墜時に偶然撮影された映像が流出したりしたことで、ごまかしきれなくなったからでしょう。
しかし、当初ごまかそうとしていたことに、イラン国内でも批判の声が出ています。テヘランの大学では政府批判のデモも発生しました。イランでは2019年11月にも政府批判のデモが発生していて、弾圧の過程で1500人もの参加者が治安部隊に射殺されたといわれていますが、今回はどうなるか注目されています。
イランと米国の緊張は、1月3日に米軍がイランの革命防衛隊特殊部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことで、急速に高まっていました。「第三次世界大戦か!?」という声まで聞こえるほど報道も過熱していますが、実際のところ、イランと米国の対立構造は複雑で先行きは不透明です。
なかでもイランは「大統領と最高指導者がいる」という特殊な権力構造を持ち、紛争の前面に出て来る軍隊も「イスラム革命防衛隊」という国軍とは別の軍事組織となっていて、非常にわかりにくくなっています。
報道を見ていても、とにかく革命防衛隊ばかりが前面に出てきています。殺されたソレイマニ司令官は革命防衛隊の最高幹部。報復としてイラクの米軍基地をミサイル攻撃したのも革命防衛隊。間違ってウクライナ航空機を撃墜してしまったのも革命防衛隊……。ではこの革命防衛隊とは何者でしょうか?
ロウハニ大統領には一切、軍の指揮権はない
報道ではしばしば「革命防衛隊は国軍とは違い、ハメネイ最高指導者の直属の部隊だ」と解説されています。しかし、それは誤解を呼ぶ解説です。それだと「ロウハニ大統領は国軍を指揮するが、革命防衛隊は最高指導者の統帥権を盾に、イラン政府の意向に従わずに勝手に独自で動く」といった勘違いをされてしまいます。実のところは、指揮系統的には両軍は同格なのです。
イランでは国軍も革命防衛隊も、政府(大統領)の下にはありません。どちらも最高司令官はハメネイ最高指導者で、指揮系統にロウハニ大統領はいないのです。イランの軍事組織の指揮系統は以下のとおりです。
まず、最高司令官はハメネイ最高指導者です。しかし、最高指導者はすべての問題を自分で判断しているわけではなく、側近の助言に頼ります。その側近組織が「最高指導者室」。最高指導者室はいわゆる官房組織で、その中に、安全保障政策・対外戦略を統括する「最高指導者軍事室」があります。現在、その室長はムハマド・シラジ准将が務めています。そして、最高指導者軍事室の下に、「イラン・イスラム共和国軍総参謀部」が配置され、その統括者として「イラン・イスラム共和国軍総参謀長」がいます。現在、モハマド・バケリ少将がその任にありますが、この役職が、イランの軍部の制度的なトップになります。
そして、そのイラン・イスラム共和国総参謀部/総参謀長の統括下に「国軍」「イスラム革命防衛隊」「警察治安部隊」が置かれています。つまり、イランのすべての国家暴力装置がイラン・イスラム共和国軍総参謀長、最高指導者軍事室を通じて最高司令官のハメネイ最高指導者に繋がるという指揮系統になっているのです。しかし、実際には革命防衛隊のステータスは国軍よりもずっと高いものです。それは革命防衛隊の成り立ちに関係があります。
革命防衛隊は「イスラム革命」覇者のシンボル
そもそも革命防衛隊が誕生したのは、親米派政権を打倒するためのイスラム革命が起きた1979年。当時は、そのカリスマ的指導者だったホメイニ師の私兵でした。当初は、革命政権の中からイスラム保守派のライバルになりそうな勢力を暴力で排除する役目を担いましたが、翌80年にイラン・イラク戦争が勃発すると戦線に投入されます。
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