00011号 ★2020/01/25(土) 15:40:18.72ID:Z27kbj6j9
1月11日、台湾の有権者は中国共産党政府と一線を画す蔡英文氏を総統に選んだ。日系企業の台湾代表や台湾企業の顧問を務める藤重太氏は「台湾独立派の人たちは、日本が『新冷戦』で米中のどちらを選ぶのかを注目している。どちらにもつかない“コウモリ外交”を続けるのはもう無理だ」と指摘する――。
(中略)
香港デモへの反応が薄すぎる日本
翻って日本はどうなのか。陳氏は、「日本には世界第3位の経済大国としての自覚と自信を持って、今後の世界の行く末を見据えたリーダーとしての正しい決断をしてほしい」と期待を寄せる。
しかしその日本は、香港のデモに対して議員が個人的に香港への危惧や支援・理解を示すものの、国会では政府の見解の発表や声明の議決にまでは至っていない。「平和的に話し合いで解決してほしい」と記者の質問に答えるのが関の山だ。香港民族党の陳浩天党首が来日し訴えても、周庭氏が来日して流暢な日本語で講演したりTwitterで呼びかけたりしても、反応は薄い。
(中略)
習近平の「国賓待遇」が発する間違ったメッセージ
オランダのライデン大学地域研究センターで博士課程まで進み、世界の地域政治のシステムに精通する陳氏は、「習近平氏を国賓として招くことは、多くの国家へ間違ったメッセージを送ることになる」と警鐘を鳴らす。
「世界第3位の経済大国である日本が、新冷戦で米中どちらを選ぶのかを世界は注目している。特に親中的・媚中的なヨーロッパの政治家は、日本がアメリカと中国のどちらを選ぶかを静かにウオッチしている。日本はそれだけ影響力のある国であることを自覚してほしい」
「日本の挙動が、世界を揺らしているのです。習近平氏の国賓来日は、日中2国間だけの問題ではないのです。すでに、世界はアメリカか中国かを選ばなければならないぎりぎりの時点まで来ている。経済大国・日本の躊躇ちゅうちょは、世界の不安定要因になりかねない」
日本の「優柔不断」が世界を失望させる
世界第3位の経済大国・日本にとって必要なのは、自らの優柔不断な二元外交/二枚舌外交によって、世界の行く末が変わるかもしれないという自覚と責任を持つことなのだろう。1989年6月の天安門事件で世界中が中国にそっぽを向いた際、日本政府は同年11月に江沢民国家主席(当時)を国賓として招き、さらに1992年には天皇陛下(現上皇陛下)を訪中させた。そのことが、2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加入する道を開いてしまったことを、日本人はいろいろな意味で忘れてはならない。
中国経済は日本の膨大な政府開発援助(ODA)などに加え、WTO加入によって飛躍的な成長を遂げた。しかし、中国はWTO加盟国というメリットのみを享受する一方、中国の国内市場については管理統制経済を続けた。自国に都合の良い法律改正や税制改正で次々と海外の資本を呑み込み、自国の外では自由経済を謳歌し、日本を追い抜いて世界第2位の経済大国に躍進した。その中国の成長で、一部の日本企業も潤ったかもしれない。
しかし、経済大国になった中国の、日本への義理を欠いた数々の行動――「尖閣侵犯」「北海道などの土地買収」「新幹線技術競争」「反日教育」「在中邦人逮捕」などは、日本国民にとって脅威でしかない。
日本の一部の政治家の思い出作りや点数稼ぎのために、日本の安全をないがしろにし、世界を不安に陥れ、アジアやアメリカからの信用を失い、失望させる代償は、日本にとっても日本国民にとっても果てしなく高くつくだろう。
2020/01/24 9:00
https://president.jp/articles/-/32292
(中略)
香港デモへの反応が薄すぎる日本
翻って日本はどうなのか。陳氏は、「日本には世界第3位の経済大国としての自覚と自信を持って、今後の世界の行く末を見据えたリーダーとしての正しい決断をしてほしい」と期待を寄せる。
しかしその日本は、香港のデモに対して議員が個人的に香港への危惧や支援・理解を示すものの、国会では政府の見解の発表や声明の議決にまでは至っていない。「平和的に話し合いで解決してほしい」と記者の質問に答えるのが関の山だ。香港民族党の陳浩天党首が来日し訴えても、周庭氏が来日して流暢な日本語で講演したりTwitterで呼びかけたりしても、反応は薄い。
(中略)
習近平の「国賓待遇」が発する間違ったメッセージ
オランダのライデン大学地域研究センターで博士課程まで進み、世界の地域政治のシステムに精通する陳氏は、「習近平氏を国賓として招くことは、多くの国家へ間違ったメッセージを送ることになる」と警鐘を鳴らす。
「世界第3位の経済大国である日本が、新冷戦で米中どちらを選ぶのかを世界は注目している。特に親中的・媚中的なヨーロッパの政治家は、日本がアメリカと中国のどちらを選ぶかを静かにウオッチしている。日本はそれだけ影響力のある国であることを自覚してほしい」
「日本の挙動が、世界を揺らしているのです。習近平氏の国賓来日は、日中2国間だけの問題ではないのです。すでに、世界はアメリカか中国かを選ばなければならないぎりぎりの時点まで来ている。経済大国・日本の躊躇ちゅうちょは、世界の不安定要因になりかねない」
日本の「優柔不断」が世界を失望させる
世界第3位の経済大国・日本にとって必要なのは、自らの優柔不断な二元外交/二枚舌外交によって、世界の行く末が変わるかもしれないという自覚と責任を持つことなのだろう。1989年6月の天安門事件で世界中が中国にそっぽを向いた際、日本政府は同年11月に江沢民国家主席(当時)を国賓として招き、さらに1992年には天皇陛下(現上皇陛下)を訪中させた。そのことが、2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加入する道を開いてしまったことを、日本人はいろいろな意味で忘れてはならない。
中国経済は日本の膨大な政府開発援助(ODA)などに加え、WTO加入によって飛躍的な成長を遂げた。しかし、中国はWTO加盟国というメリットのみを享受する一方、中国の国内市場については管理統制経済を続けた。自国に都合の良い法律改正や税制改正で次々と海外の資本を呑み込み、自国の外では自由経済を謳歌し、日本を追い抜いて世界第2位の経済大国に躍進した。その中国の成長で、一部の日本企業も潤ったかもしれない。
しかし、経済大国になった中国の、日本への義理を欠いた数々の行動――「尖閣侵犯」「北海道などの土地買収」「新幹線技術競争」「反日教育」「在中邦人逮捕」などは、日本国民にとって脅威でしかない。
日本の一部の政治家の思い出作りや点数稼ぎのために、日本の安全をないがしろにし、世界を不安に陥れ、アジアやアメリカからの信用を失い、失望させる代償は、日本にとっても日本国民にとっても果てしなく高くつくだろう。
2020/01/24 9:00
https://president.jp/articles/-/32292