楽天モバイルがサービスを正式開始。大盤振る舞いというか捨て身覚悟の対抗策を打ち出した。はたして黒字化できるのか。
4月8日、第4のキャリアとして楽天モバイルが本格サービスを開始した。
月額2980円で楽天モバイルエリア内なら使い放題、しかし、パートナーエリア(KDDI網)では上限2GBまでで超過した際に位は128kbpという制限があったはずだが、楽天モバイルでは8日朝にサービス内容を改定。上限は5GBとなり、超過した際は1Mbpsになった。音声通話料は、Rakuten Linkというコミュニケーションアプリを使えば無料となる。
これまでは「使い放題とはいえ、エリア外の2GBという制限がショボ過ぎる」「楽天モバイルではなく落胆モバイル」と揶揄されていたが、その汚名を返上した格好だ。
競合他社の関係者は「超過後には1Mbpsとなるが、これでも動画は視聴できるのではないか。実質、縛りのないプランと言える」と語る。まさに楽天モバイルは、CM通り「UN-LIMIT」を仕掛けてきたというわけだ。
●格安スマホ業者が戦々恐々
今回の改定により、楽天モバイルは相当、競争力を増した。戦々恐々と感じているのが、格安スマホやサブブランドではないか。
例えば、格安スマホ市場で絶大な人気を誇るワイモバイルの場合、スマホベーシックプランSでは月額2680円(各種割引のぞく)で月々4GB(1年間のキャンペーン、1年経過後は3GB)だ。
これがスマホベーシックプランMになると月額3680円(各種割引のぞく)で月々12GB( 1年間のキャンペーン、1年経過後は9GB)となっている。どちらも音声通話料は1回10分以内であれば無料となっている。
しかも、楽天モバイルは300万名に限って、1年間無料のキャンペーンが展開されている。ここ最近、どの会社も2年縛りに見直しが入り、解約しやすくなりつつあるが、楽天モバイルによる今回の改定により、特に格安スマホユーザーが一気に動き出す可能性も出てきた。
すでに、格安スマホを使っている人は、一度、キャリアを解約するということを経験しており、現在、契約している格安スマホに対する愛着が深いわけではない。格安スマホユーザーは月々の支払いに対する意識が高い。フットワークも軽く、積極的に他社に乗り換えていくこともいとわない。
楽天モバイルの料金プランは、格安スマホユーザーにとってみれば、かなり気になる存在だろう。
●楽天モバイルショップは胸なでおろす
今回のプラン改定で、ホッとしているのは全国にある楽天モバイルショップではないか。
これまでMVNOの楽天モバイルでは競争力のある料金プランでユーザーを増やしていたが、4月7日でMVNOのプランは新規受付終了となっていた。つまり、楽天モバイルのショップは4月8日以降、「楽天エリアなら使い放題だが、エリア外は2GBで2980円」
という、たった一つのプランしか売れなくなっていた。
まだ、都内など、基地局が立てられている場所であればいいが、東京、大阪、名古屋以外の楽天モバイルショップは「月額2980円でほぼ2GBしか使えないプラン」だけをこれから売らなくてはいけないところであった。
しかし、楽天モバイルがサービス内容を改定したことで「月額2980円でほぼ5GB、超過しても1Mbpsの速度」といいう他社にもなんとか対抗できるプランを売ることができるようになったというわけだ。
●ほとんど「捨て身覚悟」の料金改定
ただ、楽天モバイルは、パートナーであるKDDIに対して、1GBあたり465円を支払っているとされる。つまり、ユーザーがパートナーエリアで5GBを使うと2325円、楽天モバイルはKDDIに支払わないといけない。月々2980円のプランで2325円が他社にいくというのは、なかなかシビれる料金設定だ。
楽天モバイルは手元に残るユーザー一人当たり数百円で、全国に基地局を整備しつつ、携帯電話事業を経営していかないといけない。
このパートナーであるKDDIへの支出を減らすには、一刻も早く、自前の基地局を全国に立てまくる必要があるのは間違いない。ただ、ユーザー一人当たりの収入が下がる中、一方で、基地局建設に対する設備投資費を捻出するのも相当、苦労することになりそうだ。
今回、大盤振る舞いというか、捨て身の覚悟で料金改定を行った楽天モバイル。ユーザーは集まるだろうが、今後、どのように設備投資をしつつ、事業全体の黒字化に持っていくのか。興味深いところだ。
4/13(月) 9:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-00000004-ascii-sci
4月8日、第4のキャリアとして楽天モバイルが本格サービスを開始した。
月額2980円で楽天モバイルエリア内なら使い放題、しかし、パートナーエリア(KDDI網)では上限2GBまでで超過した際に位は128kbpという制限があったはずだが、楽天モバイルでは8日朝にサービス内容を改定。上限は5GBとなり、超過した際は1Mbpsになった。音声通話料は、Rakuten Linkというコミュニケーションアプリを使えば無料となる。
これまでは「使い放題とはいえ、エリア外の2GBという制限がショボ過ぎる」「楽天モバイルではなく落胆モバイル」と揶揄されていたが、その汚名を返上した格好だ。
競合他社の関係者は「超過後には1Mbpsとなるが、これでも動画は視聴できるのではないか。実質、縛りのないプランと言える」と語る。まさに楽天モバイルは、CM通り「UN-LIMIT」を仕掛けてきたというわけだ。
●格安スマホ業者が戦々恐々
今回の改定により、楽天モバイルは相当、競争力を増した。戦々恐々と感じているのが、格安スマホやサブブランドではないか。
例えば、格安スマホ市場で絶大な人気を誇るワイモバイルの場合、スマホベーシックプランSでは月額2680円(各種割引のぞく)で月々4GB(1年間のキャンペーン、1年経過後は3GB)だ。
これがスマホベーシックプランMになると月額3680円(各種割引のぞく)で月々12GB( 1年間のキャンペーン、1年経過後は9GB)となっている。どちらも音声通話料は1回10分以内であれば無料となっている。
しかも、楽天モバイルは300万名に限って、1年間無料のキャンペーンが展開されている。ここ最近、どの会社も2年縛りに見直しが入り、解約しやすくなりつつあるが、楽天モバイルによる今回の改定により、特に格安スマホユーザーが一気に動き出す可能性も出てきた。
すでに、格安スマホを使っている人は、一度、キャリアを解約するということを経験しており、現在、契約している格安スマホに対する愛着が深いわけではない。格安スマホユーザーは月々の支払いに対する意識が高い。フットワークも軽く、積極的に他社に乗り換えていくこともいとわない。
楽天モバイルの料金プランは、格安スマホユーザーにとってみれば、かなり気になる存在だろう。
●楽天モバイルショップは胸なでおろす
今回のプラン改定で、ホッとしているのは全国にある楽天モバイルショップではないか。
これまでMVNOの楽天モバイルでは競争力のある料金プランでユーザーを増やしていたが、4月7日でMVNOのプランは新規受付終了となっていた。つまり、楽天モバイルのショップは4月8日以降、「楽天エリアなら使い放題だが、エリア外は2GBで2980円」
という、たった一つのプランしか売れなくなっていた。
まだ、都内など、基地局が立てられている場所であればいいが、東京、大阪、名古屋以外の楽天モバイルショップは「月額2980円でほぼ2GBしか使えないプラン」だけをこれから売らなくてはいけないところであった。
しかし、楽天モバイルがサービス内容を改定したことで「月額2980円でほぼ5GB、超過しても1Mbpsの速度」といいう他社にもなんとか対抗できるプランを売ることができるようになったというわけだ。
●ほとんど「捨て身覚悟」の料金改定
ただ、楽天モバイルは、パートナーであるKDDIに対して、1GBあたり465円を支払っているとされる。つまり、ユーザーがパートナーエリアで5GBを使うと2325円、楽天モバイルはKDDIに支払わないといけない。月々2980円のプランで2325円が他社にいくというのは、なかなかシビれる料金設定だ。
楽天モバイルは手元に残るユーザー一人当たり数百円で、全国に基地局を整備しつつ、携帯電話事業を経営していかないといけない。
このパートナーであるKDDIへの支出を減らすには、一刻も早く、自前の基地局を全国に立てまくる必要があるのは間違いない。ただ、ユーザー一人当たりの収入が下がる中、一方で、基地局建設に対する設備投資費を捻出するのも相当、苦労することになりそうだ。
今回、大盤振る舞いというか、捨て身の覚悟で料金改定を行った楽天モバイル。ユーザーは集まるだろうが、今後、どのように設備投資をしつつ、事業全体の黒字化に持っていくのか。興味深いところだ。
4/13(月) 9:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-00000004-ascii-sci