0001nita ★2020/09/10(木) 13:17:01.50ID:TtH4eHXI9
9/10(木) 12:56
配信
毎日新聞
山岳信仰の聖地「出羽三山」周辺の山形県鶴岡市と庄内町で計画中の大規模風力発電計画について、事業者の前田建設工業(本社・東京都)が9日、計画を白紙撤回すると発表した。同社の事業戦略担当者は毎日新聞の取材に対し「県が風力発電の適地としていたことで計画地に選んだ経緯もあったが、知事や市長や地元住民からそろって反対された」と理由を述べた。反対の声を上げていた地元の山伏らは「山を守れた」と胸をなでおろしている。【長南里香、的野暁】
◇山伏ら「山守れた」 胸なでおろす
計画では羽黒山(標高414メートル)の山頂まで最短で約1キロの距離にある計約2296ヘクタールの山林を「事業実施想定区域」に設定。高さ最大180メートル、ローター直径120メートルの3枚翼プロペラ型風力発電機40基(出力最大計12万8000キロワット)を設置する。別の民間企業が今年4月に青森県つがる市で稼働させた国内最大級の施設を上回る規模で、庄内地方の世帯の7割に当たる7万世帯分の供給能力を持つ。
前田建設工業によると、事業は300億円規模で20年間継続し、県事業税など初年度は4億円の税収が地元に見込まれるほか、災害時などに電源が確保できるなどと説明していた。
8月7日から環境影響評価(アセスメント)法に基づく最初の計画手続きに入ったが、山伏や自然保護団体は「出羽三山の風車建設に反対する会」を結成。「我々にとって山そのものが信仰対象。巨大風車群の建設に断固反対する」などと訴え、建設中止を求める署名活動を展開していた。
計画の白紙撤回に住民らからは歓迎の声が上がる一方、行政側の対応や建設規制に関する注文が相次いだ。同会の代表の一人で、羽黒町観光協会の星野博会長(59)は、反対の署名数は未集計とした上で「協力してくれた人たちのおかげ」と感謝の言葉を述べた。星野会長は羽黒山北部について、県が2012年に公表した調査結果で風力発電の適地としていたことに触れ、「外資系企業が風況調査をしているという情報もあり、二度と選ばれることがないようにしてもらいたい」と苦言を呈し、安易に適地と公表せず、信仰地域での建設を認めないなど独自の規制を求めた。
事業実施想定区域から最も至近距離に位置する鶴岡市添川で、同社が今月5日夜に非公開で開いた住民説明会に参加した鈴木由利さん(56)は「羽黒山が見える自然豊かな環境で、今後も子供や孫たちと暮らせると思うと安心した」と喜んだ。巨大風車のような計画に際して、建設地を住宅地から600メートル以上離すよう定めた市のガイドラインの基準についても「住民にとっては苦痛極まりない」と、見直しを求めた。
同市の皆川治市長は「地元との合意形成が大事」と述べ、風車建設に対応したガイドラインの改定を進める考えを示した。また、吉村美栄子知事は定例記者会見で「市町の意見をくんでいただいた結果の判断だと思っている。再生可能エネルギーは重要な県政課題の一つであり、今後も自然環境や景観との調和を図りながら進めたい」と述べた。県ホームページに掲載している「風力発電適地調査報告書」については、「適地」という文言の見直しや内容の精査を進めていく方針を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/28d298167e07c1de62433f950d40d5ac8b5c08c0
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毎日新聞
山岳信仰の聖地「出羽三山」周辺の山形県鶴岡市と庄内町で計画中の大規模風力発電計画について、事業者の前田建設工業(本社・東京都)が9日、計画を白紙撤回すると発表した。同社の事業戦略担当者は毎日新聞の取材に対し「県が風力発電の適地としていたことで計画地に選んだ経緯もあったが、知事や市長や地元住民からそろって反対された」と理由を述べた。反対の声を上げていた地元の山伏らは「山を守れた」と胸をなでおろしている。【長南里香、的野暁】
◇山伏ら「山守れた」 胸なでおろす
計画では羽黒山(標高414メートル)の山頂まで最短で約1キロの距離にある計約2296ヘクタールの山林を「事業実施想定区域」に設定。高さ最大180メートル、ローター直径120メートルの3枚翼プロペラ型風力発電機40基(出力最大計12万8000キロワット)を設置する。別の民間企業が今年4月に青森県つがる市で稼働させた国内最大級の施設を上回る規模で、庄内地方の世帯の7割に当たる7万世帯分の供給能力を持つ。
前田建設工業によると、事業は300億円規模で20年間継続し、県事業税など初年度は4億円の税収が地元に見込まれるほか、災害時などに電源が確保できるなどと説明していた。
8月7日から環境影響評価(アセスメント)法に基づく最初の計画手続きに入ったが、山伏や自然保護団体は「出羽三山の風車建設に反対する会」を結成。「我々にとって山そのものが信仰対象。巨大風車群の建設に断固反対する」などと訴え、建設中止を求める署名活動を展開していた。
計画の白紙撤回に住民らからは歓迎の声が上がる一方、行政側の対応や建設規制に関する注文が相次いだ。同会の代表の一人で、羽黒町観光協会の星野博会長(59)は、反対の署名数は未集計とした上で「協力してくれた人たちのおかげ」と感謝の言葉を述べた。星野会長は羽黒山北部について、県が2012年に公表した調査結果で風力発電の適地としていたことに触れ、「外資系企業が風況調査をしているという情報もあり、二度と選ばれることがないようにしてもらいたい」と苦言を呈し、安易に適地と公表せず、信仰地域での建設を認めないなど独自の規制を求めた。
事業実施想定区域から最も至近距離に位置する鶴岡市添川で、同社が今月5日夜に非公開で開いた住民説明会に参加した鈴木由利さん(56)は「羽黒山が見える自然豊かな環境で、今後も子供や孫たちと暮らせると思うと安心した」と喜んだ。巨大風車のような計画に際して、建設地を住宅地から600メートル以上離すよう定めた市のガイドラインの基準についても「住民にとっては苦痛極まりない」と、見直しを求めた。
同市の皆川治市長は「地元との合意形成が大事」と述べ、風車建設に対応したガイドラインの改定を進める考えを示した。また、吉村美栄子知事は定例記者会見で「市町の意見をくんでいただいた結果の判断だと思っている。再生可能エネルギーは重要な県政課題の一つであり、今後も自然環境や景観との調和を図りながら進めたい」と述べた。県ホームページに掲載している「風力発電適地調査報告書」については、「適地」という文言の見直しや内容の精査を進めていく方針を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/28d298167e07c1de62433f950d40d5ac8b5c08c0