0001ボラえもん ★2021/01/16(土) 20:35:56.23ID:wqNmQ+gt9
2020年のノーベル化学賞は、「CRISPR-Cas9(略してCRISPR(クリスパー)と呼ばれている)」という技術の開発に携わった二人の女性科学者に贈られた。
2012年に発表されるやいなや、世界中にあっという間に広まり、今や生命科学の研究に不可欠となった、魔法のような技術だ。
どれほど魔法なのか。「クリスパー」という技術は、こんな風に称賛されているという。
先進的な生物学研究所で数年かかったことが、今では高校生が数日間でできる
この表現で、「クリスパー」の凄まじさが少しは分かっていただけるだろうと思う。この技術が開発されたことで、生命科学の分野は一変したと言っていいだろう。
「クリスパー」は、遺伝子編集技術である。「クリスパー」の登場以前にももちろん、遺伝子編集技術は存在した。
しかし「クリスパー」は、手軽さと安さという意味で、それ以前のどんな技術もまったく及ばない。
それまでの遺伝子編集技術は、かなりの専門知識と手際みたいなものが要求される、要するに「職人仕事」と言っていいものであり、なのに精度は低かった。
しかし「クリスパー」は、手軽で安価な上に、精度も恐ろしく高い。
「クリスパー」が発表されてから1年後には、中国の研究チームが、28億もの塩基(DNAを構成する主要な成分)の内、たった1つだけを書き換える遺伝子治療に成功した。
「クリスパー」以前の技術では、28億もの塩基の中の狙った1つだけを書き換えるなんて離れ業は、不可能だったと言っていい。
遺伝子編集技術は、我々の生活にも大いに関係する。例えばがん治療。
「クリスパー」を使って直接がんを治療するわけではないが、「クリスパー」を使うことで、がん治療の研究を早めることができる。
これまでは、「ある特定の変異を持つマウス」を作り出すために、何世代もマウスを交配させるという時間の掛かる作業をしなければならなかった。
しかし「クリスパー」があれば、遺伝子をちょいと操作してやればいいだけなのだ。
また、「どの遺伝子が何と関係しているのか」ということが、長年の研究によって徐々に分かってきている。
例えば、「APOE遺伝子」はアルツハイマー病と、「IFIH1遺伝子」と「SLC30A8遺伝子」は糖尿病と、「DEC2遺伝子」は睡眠時間の短さと関係しているという。
今後研究が進むことで、例えば「アルツハイマー病の患者に対しては、APOE遺伝子の除去手術を行えばいい」と判明するかもしれない。
そうなった時にもし「クリスパー」がなければ、治療法が分かっていても実行できない、ということになるだろう。
現実にはまだ、「クリスパー」を人間に使ったことはほとんどない(「クリスパー」を使った治療をしなければ恐らく亡くなってしまうだろうという緊急の状況で使われた事例がいくつかあるだけだ)。
とはいえ、遺伝子に原因のある病気を患っている人には可能性を感じさせる話だろう。
そういう「単一遺伝子疾患(一つの遺伝子を原因とする病気)」は、実に7000以上も知られているという。
これまでは治療不可能だった病気が、「クリスパー」によって治療出来るようになるかもしれない。
(以下略。全文はソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/05a9ebfd3cd6a63a8242d6082c2716f2036b1865
2012年に発表されるやいなや、世界中にあっという間に広まり、今や生命科学の研究に不可欠となった、魔法のような技術だ。
どれほど魔法なのか。「クリスパー」という技術は、こんな風に称賛されているという。
先進的な生物学研究所で数年かかったことが、今では高校生が数日間でできる
この表現で、「クリスパー」の凄まじさが少しは分かっていただけるだろうと思う。この技術が開発されたことで、生命科学の分野は一変したと言っていいだろう。
「クリスパー」は、遺伝子編集技術である。「クリスパー」の登場以前にももちろん、遺伝子編集技術は存在した。
しかし「クリスパー」は、手軽さと安さという意味で、それ以前のどんな技術もまったく及ばない。
それまでの遺伝子編集技術は、かなりの専門知識と手際みたいなものが要求される、要するに「職人仕事」と言っていいものであり、なのに精度は低かった。
しかし「クリスパー」は、手軽で安価な上に、精度も恐ろしく高い。
「クリスパー」が発表されてから1年後には、中国の研究チームが、28億もの塩基(DNAを構成する主要な成分)の内、たった1つだけを書き換える遺伝子治療に成功した。
「クリスパー」以前の技術では、28億もの塩基の中の狙った1つだけを書き換えるなんて離れ業は、不可能だったと言っていい。
遺伝子編集技術は、我々の生活にも大いに関係する。例えばがん治療。
「クリスパー」を使って直接がんを治療するわけではないが、「クリスパー」を使うことで、がん治療の研究を早めることができる。
これまでは、「ある特定の変異を持つマウス」を作り出すために、何世代もマウスを交配させるという時間の掛かる作業をしなければならなかった。
しかし「クリスパー」があれば、遺伝子をちょいと操作してやればいいだけなのだ。
また、「どの遺伝子が何と関係しているのか」ということが、長年の研究によって徐々に分かってきている。
例えば、「APOE遺伝子」はアルツハイマー病と、「IFIH1遺伝子」と「SLC30A8遺伝子」は糖尿病と、「DEC2遺伝子」は睡眠時間の短さと関係しているという。
今後研究が進むことで、例えば「アルツハイマー病の患者に対しては、APOE遺伝子の除去手術を行えばいい」と判明するかもしれない。
そうなった時にもし「クリスパー」がなければ、治療法が分かっていても実行できない、ということになるだろう。
現実にはまだ、「クリスパー」を人間に使ったことはほとんどない(「クリスパー」を使った治療をしなければ恐らく亡くなってしまうだろうという緊急の状況で使われた事例がいくつかあるだけだ)。
とはいえ、遺伝子に原因のある病気を患っている人には可能性を感じさせる話だろう。
そういう「単一遺伝子疾患(一つの遺伝子を原因とする病気)」は、実に7000以上も知られているという。
これまでは治療不可能だった病気が、「クリスパー」によって治療出来るようになるかもしれない。
(以下略。全文はソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/05a9ebfd3cd6a63a8242d6082c2716f2036b1865