0001Toy Soldiers ★2021/02/11(木) 07:59:14.11ID:5zoMOEI39
まもなく日本にも到着する予定の新型コロナウイルスのワクチン。世界中で「ワクチン争奪戦」が始まっているが、実は「注射器」の種類によって、接種できる回数(ひいては人数)に大きな差が出るのをご存じだろうか。
ワクチン接種で先行する欧米では、今この注射器が、超低温冷凍庫と同様に目下の必需品となってきている。そんな中、日本でもこの注射器の確保をめぐり“黄色信号”がともっている。
当初、アメリカでファイザー社のワクチンの緊急使用の承認がされた際には、「1つの瓶から5回分」という条件だった。
1つの瓶にもともと入っているワクチンは0.45ml。ここに生理食塩水を1.8mlを足して希釈するため、0.45+1.8=2.25mlとなる。1回の接種で1人に投与するワクチンは0.3mlのため、2.25÷0.3=8回分とれるのではないか?という疑問が残るが、そうではないようだ。
通常の注射器を使う場合、0.3mlを“実際に腕に接種する”ためには、少しだけ余分に吸い上げなければならない。なぜなら、注射器の構造上、かなりわずかではあるが、薬液の一部が注射器内や針に残ってしまうからである。
薬液が残ってしまう“すき間”のことを「デッドスペース」または「死腔(しくう)」という。残ってしまった液は、廃棄されるしかない。1瓶につき0.75ml、5回分として単純計算すると1回当たり0.15mlは無駄になってしまう訳だ。
この薬剤のロスを防ぐために開発されたのが、「low dead space=デッドスペースが少ない」タイプの注射器だ(ここでは“特殊型注射器”と呼ぶ)。
こちらのタイプを使うと、注射器先端の“すき間”に薬液が残ることが少ないため、ワクチンのロスが少なくて済む。この仕組みによって、ファイザー社のワクチンの“手のひらサイズの小瓶”から「6回分」接種することができることがわかってきた。
同じ量なのに「5回」が「6回」に増えるということは、接種回数/人数が「2割」多くなるということだ。100人が120人に、1万人が1万2000人に増える。
アメリカFDA食品医薬品局は2021年1月、「1つの瓶から接種できる回数を5回から6回に」変更することを承認した。この動きはフランスなど欧州でも見られ、カナダでも変更が間近だと報じられている。カナダメディアは「6回吸い上げられる特殊な注射器が、世界中で“ホットな必需品”となっている」と伝えた。
「ワクチンを無駄にしないためには、すべての接種に特殊型注射器を使えばいいのに」と思うだろう。しかし、この特殊型注射器は、ワクチン用に開発された器具ではなく、インスリン投与など限られた場面でしか使用されていなかった。ワクチン接種が始まってから注目を集めたため、そもそも供給量が多くはない。実際の医療現場ではどうなのか。FNNは、ノースカロライナ大学病院で薬剤部長を務めるリンジー・アマリンさんに話を聞いた。
ノースカロライナ大学病院 リンジー・アマリン氏:
特殊注射器を得るのはまだまだ大変です。注射器の入手は引き続き課題だと思います。特殊注射器の供給元を探し続けています。現在はまだ少しありますが、このままずっと入手できるかどうかはまだわかりません。だんだんと入手が難しくなっているので
“注射器のコンビネーション”作戦で乗り切っています。1つの瓶で6回分のワクチンを吸い上げるために、最初の3回は“通常の注射器”で接種します。そのあと後半3回は、無駄が少ない「特殊型」を使います
つまり、「従来型注射器」だけでは5回分のワクチンしか吸い上げられず、0.75mlが廃棄となってしまう。一方、1つの瓶に対し特殊型を「6本」を使ってしまうと、今度は注射器が枯渇してしまう。「従来型」と「特殊型」を組み合わせることにより、ワクチンの無駄をギリギリまで少なくするという知恵を絞り出したのだ。ワクチンも注射器も「ダブルで節約」するという作戦だ。
全文ソース
https://www.fnn.jp/articles/-/141780
ワクチン接種で先行する欧米では、今この注射器が、超低温冷凍庫と同様に目下の必需品となってきている。そんな中、日本でもこの注射器の確保をめぐり“黄色信号”がともっている。
当初、アメリカでファイザー社のワクチンの緊急使用の承認がされた際には、「1つの瓶から5回分」という条件だった。
1つの瓶にもともと入っているワクチンは0.45ml。ここに生理食塩水を1.8mlを足して希釈するため、0.45+1.8=2.25mlとなる。1回の接種で1人に投与するワクチンは0.3mlのため、2.25÷0.3=8回分とれるのではないか?という疑問が残るが、そうではないようだ。
通常の注射器を使う場合、0.3mlを“実際に腕に接種する”ためには、少しだけ余分に吸い上げなければならない。なぜなら、注射器の構造上、かなりわずかではあるが、薬液の一部が注射器内や針に残ってしまうからである。
薬液が残ってしまう“すき間”のことを「デッドスペース」または「死腔(しくう)」という。残ってしまった液は、廃棄されるしかない。1瓶につき0.75ml、5回分として単純計算すると1回当たり0.15mlは無駄になってしまう訳だ。
この薬剤のロスを防ぐために開発されたのが、「low dead space=デッドスペースが少ない」タイプの注射器だ(ここでは“特殊型注射器”と呼ぶ)。
こちらのタイプを使うと、注射器先端の“すき間”に薬液が残ることが少ないため、ワクチンのロスが少なくて済む。この仕組みによって、ファイザー社のワクチンの“手のひらサイズの小瓶”から「6回分」接種することができることがわかってきた。
同じ量なのに「5回」が「6回」に増えるということは、接種回数/人数が「2割」多くなるということだ。100人が120人に、1万人が1万2000人に増える。
アメリカFDA食品医薬品局は2021年1月、「1つの瓶から接種できる回数を5回から6回に」変更することを承認した。この動きはフランスなど欧州でも見られ、カナダでも変更が間近だと報じられている。カナダメディアは「6回吸い上げられる特殊な注射器が、世界中で“ホットな必需品”となっている」と伝えた。
「ワクチンを無駄にしないためには、すべての接種に特殊型注射器を使えばいいのに」と思うだろう。しかし、この特殊型注射器は、ワクチン用に開発された器具ではなく、インスリン投与など限られた場面でしか使用されていなかった。ワクチン接種が始まってから注目を集めたため、そもそも供給量が多くはない。実際の医療現場ではどうなのか。FNNは、ノースカロライナ大学病院で薬剤部長を務めるリンジー・アマリンさんに話を聞いた。
ノースカロライナ大学病院 リンジー・アマリン氏:
特殊注射器を得るのはまだまだ大変です。注射器の入手は引き続き課題だと思います。特殊注射器の供給元を探し続けています。現在はまだ少しありますが、このままずっと入手できるかどうかはまだわかりません。だんだんと入手が難しくなっているので
“注射器のコンビネーション”作戦で乗り切っています。1つの瓶で6回分のワクチンを吸い上げるために、最初の3回は“通常の注射器”で接種します。そのあと後半3回は、無駄が少ない「特殊型」を使います
つまり、「従来型注射器」だけでは5回分のワクチンしか吸い上げられず、0.75mlが廃棄となってしまう。一方、1つの瓶に対し特殊型を「6本」を使ってしまうと、今度は注射器が枯渇してしまう。「従来型」と「特殊型」を組み合わせることにより、ワクチンの無駄をギリギリまで少なくするという知恵を絞り出したのだ。ワクチンも注射器も「ダブルで節約」するという作戦だ。
全文ソース
https://www.fnn.jp/articles/-/141780