神戸新聞2022/2/22 11:45
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202202/0015083338.shtml
神戸・三宮の三宮センター街が、スケートボードの乗り入れに頭を悩ませている。今年1月、深夜に若者とみられる複数人のボーダーが店舗のシャッターを破損。店側が兵庫県警生田署に被害届を提出した。現場となった1丁目商店街の振興組合は、スケボーの乗り入れを終日禁止し、看板などで周知する方針を決めた。
被害を受けたのは、三宮センター街の東側、フラワーロードから生田筋にわたる1丁目商店街の服飾雑貨店。1月4日に開店準備のため従業員が出勤すると、金属製シャッターがぼこぼこにへこみ、巻き取れなくなっていた。半円を描いたような擦り傷もひどく、修理に20万円ほどかかるという。
振興組合が防犯カメラの映像を確認すると、前日の午後11時ごろ、店の前に若者とみられる6人ほどがスケボーを手に集まっている様子が写っていた。うち何人かが1人ずつ順番に、勢いをつけて店側へ滑っていき、ボードごとジャンプ。シャッターを壁代わりに車輪をぶつけてターン、着地する動作を繰り返していた。
組合によると、三宮センター街の路面は1、2カ月ごとにワックスをかけているため、路面が滑らかな上、1〜3丁目商店街のうち1丁目の道幅が最も広く、スケボーを滑りに来る若者が以前からいた。
マナー違反も10年以上前から散見されたというが、「店の営業に実害が出るレベルは初めてで、到底看過できない」と、今回は生田署に相談。同署が器物損壊容疑で捜査している。
組合は1月の定例理事会で、スケボーの乗り入れを終日禁止する方針を決めた。商店街の出入り口などに看板を立てて周知するとともに、乗り入れを見つけた場合は積極的に声を掛けてやめさせていくという。
組合は「一部の不届き者のやったことだとは分かっているが、悪質な犯罪行為には毅然と対応していく必要がある」と理解を求めている。(井上太郎)
◇ ◇
■スケボーのマナー違反、悩みの種「注意する法的根拠がない」
昨年の東京五輪では日本人のメダルラッシュで注目を浴びたスケボーだが、人通りが多い場所での滑走などマナー違反や器物損壊も後を絶たない。しかし、道路交通法上、スケボーは車両ではなく「遊戯道具」扱いとなり、取り締まりの対象となるケースは少ない。
自転車は「軽車両」に当たるため、歩行者専用道路となっている商店街に乗り入れると道交法違反となる場合がある。一方、兵庫県警交通指導課によると、スケボーはローラースケートやキックスケーターと同じ遊戯道具に該当。乗り入れが禁じられるのは「交通の頻繁な道路」で、明確な交通量の基準はないという。
広島市の「本通り商店街」では、スケボーで走った男性が同法違反(道路での禁止行為)容疑で昨年12月に書類送検された例があるが、人通りがまだ多かった午後9時半ごろだった。
三宮センター街は神戸市と道路管理協定を結んでおり、この立場から「禁止」を打ち出すものの、罰則などはない。人通りが少ない時間帯は道交法で取り締まれる可能性が低く、「注意する法的根拠がない」(同組合)のが悩みの種だという。
【写真】スケボーでターンをする壁代わりに使われ、破損したシャッター
https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/202202/img/d_15083339.jpg
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神戸・三宮の三宮センター街が、スケートボードの乗り入れに頭を悩ませている。今年1月、深夜に若者とみられる複数人のボーダーが店舗のシャッターを破損。店側が兵庫県警生田署に被害届を提出した。現場となった1丁目商店街の振興組合は、スケボーの乗り入れを終日禁止し、看板などで周知する方針を決めた。
被害を受けたのは、三宮センター街の東側、フラワーロードから生田筋にわたる1丁目商店街の服飾雑貨店。1月4日に開店準備のため従業員が出勤すると、金属製シャッターがぼこぼこにへこみ、巻き取れなくなっていた。半円を描いたような擦り傷もひどく、修理に20万円ほどかかるという。
振興組合が防犯カメラの映像を確認すると、前日の午後11時ごろ、店の前に若者とみられる6人ほどがスケボーを手に集まっている様子が写っていた。うち何人かが1人ずつ順番に、勢いをつけて店側へ滑っていき、ボードごとジャンプ。シャッターを壁代わりに車輪をぶつけてターン、着地する動作を繰り返していた。
組合によると、三宮センター街の路面は1、2カ月ごとにワックスをかけているため、路面が滑らかな上、1〜3丁目商店街のうち1丁目の道幅が最も広く、スケボーを滑りに来る若者が以前からいた。
マナー違反も10年以上前から散見されたというが、「店の営業に実害が出るレベルは初めてで、到底看過できない」と、今回は生田署に相談。同署が器物損壊容疑で捜査している。
組合は1月の定例理事会で、スケボーの乗り入れを終日禁止する方針を決めた。商店街の出入り口などに看板を立てて周知するとともに、乗り入れを見つけた場合は積極的に声を掛けてやめさせていくという。
組合は「一部の不届き者のやったことだとは分かっているが、悪質な犯罪行為には毅然と対応していく必要がある」と理解を求めている。(井上太郎)
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■スケボーのマナー違反、悩みの種「注意する法的根拠がない」
昨年の東京五輪では日本人のメダルラッシュで注目を浴びたスケボーだが、人通りが多い場所での滑走などマナー違反や器物損壊も後を絶たない。しかし、道路交通法上、スケボーは車両ではなく「遊戯道具」扱いとなり、取り締まりの対象となるケースは少ない。
自転車は「軽車両」に当たるため、歩行者専用道路となっている商店街に乗り入れると道交法違反となる場合がある。一方、兵庫県警交通指導課によると、スケボーはローラースケートやキックスケーターと同じ遊戯道具に該当。乗り入れが禁じられるのは「交通の頻繁な道路」で、明確な交通量の基準はないという。
広島市の「本通り商店街」では、スケボーで走った男性が同法違反(道路での禁止行為)容疑で昨年12月に書類送検された例があるが、人通りがまだ多かった午後9時半ごろだった。
三宮センター街は神戸市と道路管理協定を結んでおり、この立場から「禁止」を打ち出すものの、罰則などはない。人通りが少ない時間帯は道交法で取り締まれる可能性が低く、「注意する法的根拠がない」(同組合)のが悩みの種だという。
【写真】スケボーでターンをする壁代わりに使われ、破損したシャッター
https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/202202/img/d_15083339.jpg