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●マイケル・フリン前大統領補佐官

フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は2月、キスリャク大使との会話内容を正しく申告せず、マイク・ペンス副大統領に不正確な説明をしたとして、就任から1カ月足らずで辞任に追い込まれた。

退役中将であるフリン氏は、2016年にセキュリティー認証を更新した際、国防総省の調査担当者に、外国政府関係者との接触について不正確な説明をした可能性があることが、ロシアの選挙介入とトランプ陣営との癒着の疑いに関する議会調査で確認された書類で明らかになった。

フリン氏は、セキュリティー認証のための聞き取り調査で、民間人として行った外国旅行は全て米国の民間企業により支払われたと説明した。だが実際は、米政府がロシア政府のプロパガンダ機関とみなしている政府系テレビ局のロシア・トゥデイが、フリン氏の2015年のモスクワ訪問の旅費を出していた。フリン氏はその際の夕食会で、プーチン大統領の隣に座ったことが、米議会民主党が5月に公表した資料で明らかになっている。

●ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問

トランプ氏の長女イバンカさんの夫でもあるクシュナー大統領上級顧問も、セキュリティー認証を受ける際に、ロシア政府高官との接触を明らかにしていなかったと、NYT紙が4月に報じた。

ホワイト・ハウスは3月、クシュナー氏が、キスリャク氏と2016年4月にワシントンで、さらに同年12月にニューヨークのトランプ・タワーで面会したことを明らかにした。ホワイト・ハウスは、12月の面会は「連絡手段を確立するため」だったと説明。クシュナー氏はまた、セキュリティー認証書類に、政府系金融機関であるロシア開発対外経済銀行(VEB)との接触を記載していなかった。

さらにクシュナー氏は、キスリャク大使と2016年4月─11月の期間に電話で接触していたことが、ロイターの報道で判明している。クシュナー氏の弁護士ジェイミー・ゴーリック氏は、この時期のクシュナー氏は無数の電話協議をこなしていたため、キスリャク氏との電話について「何も記憶にない」と述べた。

クシュナー氏は、2016年6月のトランプ・ジュニア氏とベセルニツカヤ氏の面会に一部同席したことが、トランプ・ジュニア氏が公表したメールから明らかになっている。
(終わり)