2016年7月24日

はるか昔にグレート・バリア・リーフの島に放牧されたヤギが増えすぎ、島の生態系を荒らしているため、
所轄のヒンチンブルック・シャイア役所は大陸内陸部で捕獲したディンゴを島に放す計画を進めている。
ABC放送(電子版)が伝えた。

同役所は、「4頭の野犬をペロラス島に放し、害獣のヤギを退治させるが、この野犬が害獣化するおそれはない。
去勢してあり、しかも時限活性化毒を埋め込んであり、時が来ればこのディンゴらも死ぬことになっている」と語っている。
(中略)

この試みを指導しているベン・アレン、リー・アレン両博士らは2年の計画で2頭をすでに島に放しており、
本能のままに狩猟をさせる。リー・アレン博士は、「野犬が羊や山羊の牧場に多大な損害を与えるように、
島でも野犬が野生害獣化した山羊を狩ってくれる」と語っている。

1993年、リー・アレン博士は、国防軍のショールウォーター・ベイ訓練区域内のタウンゼンド島に16頭のディンゴを放す
プロジェクトに参加したことがあり、「70平方キロの島で3,000頭の野生化した山羊を駆逐するのにわずか2年だったが、
その後、ディンゴを駆逐するために10年から15年かかった」と語っている。

今回のプロジェクトでは、2年後に戻ってきてディンゴを射殺する計画が組み込まれており、
それに失敗しても4頭には害獣駆除に用いられる1080と呼ばれる毒薬のカプセルが埋め込まれており、
2年経つとこのカプセルから毒薬が体内に注入されるようになっている。

また、ディンゴは人間が餌づけしない限り、島を訪れる人々に危害を加えることはほとんど考えられない。
■ソース
Death row dingoes set to be the environmental saviour of Great Barrier Reef’s Pelorus Island