■SARSの場合 

この情報は、WHOのSARS診断に関する多施設共同研究ネットワークに属する研究施設によってもたらされた。用いた方法、材料に関する詳細な情報は取りまとめて、近く提供される予定である。今回の研究結果の主要な点を以下に示す。

糞便および尿中のウイルス生存期間
・糞便(尿)中では、室温で最低1〜2日間ウイルスは安定である。

・(pHが正常便中より高い)下痢症状の患者の便中では、ウイルスは(最高4日まで)より安定である。

消毒剤と(実験室で使用する)固定剤
・一般に用いられている様々な消毒剤や固定剤による処理で、ウイルス感染性はなくなる。

細胞培養上清中でのウイルスの生存
・4℃と-80℃では21日後でも、ウイルスの感染性(感染性のあるウイルスの量)はほんのわずかしか減少しなかった。

・室温(一定)で2日間経っても、ウイルス濃度は1 log の減少しかしない。このことから、このウイルスは、これらの条件下で今まで知られているヒトコロナウイルスより安定であることが示唆される。

・56℃の熱処理で、SARSコロナウイルスは15分当たり約10,000ユニットが死滅する(急速減少)。