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東京都は新型コロナウイルス対策に伴う支出のため、税収の変動に備えて積み立てておく財政調整基金を大幅に取り崩しました。

池上岳彦・立教大学教授(以下、池上氏):今回、財政調整基金を取り崩したことで目立ってしまいましたが、逆に言えば、危機に対応する必要度が東京都は大きいということだと思います。もちろんほかの都市圏でも、そういう対応は必要ですが、実際のところ東京は政治経済の中心地であって、東京の安全が損なわれるようなことがあれば、日本全体が動かなくなってしまう。

 都の場合、景気のいいときには法人関係の税収が特に伸びるのは確かにその通りで、基金を積むことができる。しかし、それはいざというときに備えているのです。

 今回、使い方が無駄だったというのなら話は別ですが、例えば飲食店に感染拡大防止の協力金を配ったことについて、無駄だと言っている人はあまり多くない。やはり必要な使い方をしているのだと思います。

それでも規模の大きな取り崩しを不安に思う都民は多いのではないでしょうか。