宮内庁は内閣総理大臣の管理下にある組織で、主な仕事は、天皇陛下や皇族のお世話をすることと、皇族関係の施設管理をすることの他、日本国憲法第7条に掲げる国事行為のうち、外国の大使や公司の接受、儀式を担当。

宮内庁は5職2部の内部部局、正倉院事務所や御料牧場といった2つの施設等機関、そして地方支分部局として設置された京都事務所から構成されています。

長官官房
宮内庁組織全体の管理。長官官房には秘書課、総務課、宮務課、主計課、用度課および宮内庁病院があり、主に宮内庁の財務や皇室の財政管理、人事や報道などを行ないます。

侍従職（じじゅうしょく）
天皇・皇后両陛下のお世話をする。天皇の判子である御璽（ぎょじ）や日本国の印鑑である国印の管理も行ないます。

上皇職（じょうこうしょく）
2019年5月1日、天皇の退位等に関する皇室典範特例法により、新たに設置されました。上皇侍従長の統括のもとで上皇侍従次長や上皇侍従などの職員たちが、上皇・上皇后両陛下のお身近のことを担当する部局です。

皇嗣職（こうししょく）
2019年、新設された部局。皇嗣職大夫の統括のもと、皇嗣職宮務官長や皇嗣職宮務官などの職員が、皇嗣・皇嗣妃および王子女のお身近のことを担当します。

式部職（しきぶしょく）
皇室の祭典、儀式、外国交際および雅楽、鴨場接待などを司る。宮中の儀式などで日本古典宮廷音楽である雅楽を演奏する他、国家的な来賓晩餐会では、洋楽・クラシックの演奏も担当。なお、宮内庁楽師が演奏する雅楽は国の重要文化財に、楽師は重要無形文化財保持者に認定されています。

書陵部（しょりょうぶ）
図書寮と諸陵寮が統合して設置された部局で、歴史的資料等の保存や公開をはじめ、調査や整理、出版、陵墓などの業務を行なう研究機関。保存・管理を第一としながら閲覧等の利用業務も行なっています。

管理部
皇室用の財産や行政財産の管理、宮中行事の饗宴や茶会、皇族方のお食事についての供進及び調理などを担当。また、天皇皇后両陛下や皇族方のご静養の場としてご利用される那須（栃木県）、須崎（静岡県）、葉山（神奈川県）の3つの御用邸など、宮内庁が所有する施設の管理や附帯する業務を担当します。

これらの内部部局の他に、正倉院宝物や聖語蔵経巻の保存・管理および調査や研究、修元模造などを行なう正倉院事務所、皇室用の乗用・輓用（ばんよう）馬の生産をはじめとした家畜の飼養や在日外交団の接遇の場として使用される御料牧場といった施設等機関があります。
また、地方支分部局として京都事務所が設置。京都御所をはじめ、京都大宮御所や桂離宮などの建物や、桃山・月輪・畝傍・古市といった各陵墓監区内の陵墓地など、国有財産の管理等の事務を担当しています。