オーストラリアの総選挙が3日、投開票され、公共放送ABCによると、野党・保守連合(自由党と国民党)を率いるダットン自由党党首が下院選で落選が確実となった。ダットン氏は「我々は十分な成果を上げることができず、今夜それが明らかになった。私が全責任を負う」と敗北を認めた。

 ダットン氏は1月、「政府効率化」を公約に掲げ、効率化担当相を新設すると表明。その後、当選した場合、大規模な政府職員削減や、国家公務員のテレワーク廃止を行う方針も示した。

 さらに政府のDEI(多様性・公平性・包摂性)担当職員について「豪州の一般市民の生活改善に全く役に立っていない」と述べ、当選後に解雇すると訴えた。

 ところがこういった戦略は裏目に出る。当初は「トランプ米大統領の人気に便乗している」と批判された。さらにトランプ氏が、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援を渋ったり、諸外国からの輸入品に高関税をかけたりして国際的な反発を受けると、ダットン氏もあおりを食らってしまった。

 「#TemuTrump」

 選挙期間中、豪州の交流サイト(SNS)上ではこんなハッシュタグ(検索目印)が頻出するようになった。中国発の格安オンライン通販「Temu(テム)」と、トランプ氏を掛け合わせたダットン氏を皮肉る文言だ。ダットン氏は「安物のトランプ」との批判をかわすことができなかったようだ。【バンコク国本愛】

毎日新聞 2025/5/3 22:08(最終更新 5/3 22:08)
https://mainichi.jp/articles/20250503/k00/00m/030/235000c