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【地下鉄サリン事件から30年】アメリカ公開を迎えた“オウム真理教”のドキュメンタリー映画「Aum:The Cult at the End of the World」について【NY発コラム】
2025年4月19日
共同監督を務めたベン・ブラウンと柳本千晶は、歴史家、弁護士、元メンバー、そして騒乱に巻き込まれた罪のない人々へのインタビューを敢行し、多角的な観点から、オウム真理教をとらえている。あえてマイケル・ムーア監督のように独自の視点を押し付けるような手法はとってはおらず、観客に解釈を委ねている部分がある。この手法に関しては、アメリカの批評家の間では、意見がわかれているようだ。

特に上祐へのロングインタビューを敢行しているものの、ジャーナリストとしての視点で深く批判したり、問い詰めることはせず、終始当時の状況を流暢な英語で説明させている。この点に関しては、アメリカのメディア「Collider」の記者、テリース・ラクソンはあまり高く評価していない。

もっとも地下鉄サリン事件が起きた際、上祐はロシアで活動していため(ロシア人の間でオウム真理教を普及させようとしていた)、深くは聞き出せないこともあっただろう。だが、上祐はオウム真理教の広告塔でもありブレインでもあったわけだから、当時の状況をもっと追究できたのではないかと、筆者も感じてしまった。
https://eiga.com/news/20250419/14/