日本のスパイ防止に関する現行法の“穴”

1. スパイ行為の明確な定義がない。日本には「スパイ罪」や「スパイ活動防止法」そのものが存在しない。故に、外国勢力の工作活動を直接的に取り締まる法律がない。

2. 漏洩しても処罰しづらい情報の多さ。防衛秘密(特定秘密保護法対象)以外の、例えば経済安保・大学研究・インフラ関連の情報などは漏洩しても処罰が困難。

3. スパイを疑っても国外追放や拘束の法的根拠が薄い。入管法だけでは、「スパイ行為が疑われる」だけでは退去強制が困難。警察も不審者を監視・拘束する手段が限られる。

4. 外国勢力とつながった“協力者”への罰則が弱い。例えば企業・大学・研究者が意図せず敵対国家に技術協力した場合、法的な抑止力に欠ける。経済安全保障推進法はあるが、運用はまだ“甘い”。

5. スパイ活動の“準備段階”に対する摘発が不可能。情報収集・接触・浸透などの工作準備段階での摘発法が存在しない。海外のように「外国勢力の代理人登録制度(FARA)」もなし。

6. 国外スパイ機関との連携体制が遅れている。欧米に比べ、対外諜報機関(日本版CIA)が存在しない。インテリジェンス体制が不在で、国際的な情報共有にも限界。

7. 「差別」との誤解を恐れた過度な配慮。スパイ行為を警戒しても、特定国出身者に対する取り締まりが差別と誤認されやすく、政治的圧力も加わりがち。

8. 国民の「スパイ活動」への認識が極端に低い。教育や報道で「諜報」「情報戦」「工作活動」への理解が乏しく、法整備の民意後押しが弱い。