http://www.bbc.com/japanese/39626211

北朝鮮高官は17日、ミサイルの発射実験を今後も続ける考えをBBCに対して示した。北朝鮮の核・ミサイル開発は国際社会から強い非難を集めているほか、米国との軍事的な緊張も生んでいる。

北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は、ジョン・サドワースBBC特派員とのインタビューで、「我々は今後もミサイル実験を重ねる。毎週、毎月、毎年」と述べた。

韓次官は、もし米国が軍事行動を取るなら、ただちに「全面戦争」になると語った。

韓次官はBBCとのインタビューで、「もし米国が我々に対して軍事的攻撃を計画しているというなら、我々は、我々のやり方と方法で、先制核攻撃で反応する」と述べた。

一方、韓国を訪問したマイク・ペンス米副大統領は、北朝鮮に対する「戦略的忍耐の時代」は終わったと述べ、米国の出方を試そうとしないよう警告した。

ペンス副大統領が16日午後に韓国ソウルに到着する数時間前には、北朝鮮がミサイル発射実験を試みたものの失敗していた。

これまでの経緯

北朝鮮は近年、国連安全保障理事会の決議や制裁にもかかわらず、核やミサイルの実験を頻繁に行うようになった。

同国は米国を含む世界各地に到達できる核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルの開発を目指している。

ドナルド・トランプ米大統領は、それは実現しないと述べ、国際的に孤立した北朝鮮への圧力を強めている。

トランプ大統領は、原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群を朝鮮半島付近に派遣。米国と韓国は地上配備型迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)」の配備も進めている。

緊張が高まるなかでも、北朝鮮は6回目の核実験を近く実施する可能性があると専門家らは指摘する。16日のミサイル発射実験では、発射から数秒後に爆発し失敗に終わっている。北朝鮮はこれに先立ち、15日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の祖父、故金日成(キム・イルソン)氏の生誕105年を祝う大規模な軍事パレードを行っている。

米国の北朝鮮へのメッセージ

17日に黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行との会談後に共同記者会見したペンス副大統領は、「ほんの過去2週間でシリアやアフガニスタンで取られた行動から、世界は我々の新大統領の力と決意を見ることになった」とし、「北朝鮮は大統領の決意のほどを試さない方がいい。この地域での米軍の力を試さない方がいい」と述べた。

ペンス氏はさらに、韓国に対して「我々は100%、あなたたちを応援する」と語り、米国の支援を約束した。
レックス・ティラーソン米国務長官が先月、板門店を訪れた際にも、先制攻撃的な軍事行動は選択肢に入っていると語っていた。

米国は北朝鮮の主要な同盟国である中国とも協力して、北朝鮮の核・ミサイル計画をやめさせる圧力をかけようとしている。
AP通信によると、ペンス副大統領は記者らに対し、米政権は中国が「並外れた影響力」を駆使して北朝鮮に圧力をかけるのを期待していると述べた。

ソウルで取材するBBCのスティーブン・エバンズ記者は、中国に北朝鮮を抑止するよう説得する一方で、経済的かつ軍事的な圧力をかけ続ける、というのが現在の米国の政策のようだと指摘した。

北朝鮮の主張は?

韓次官はインタビューで、核兵器が米国の軍事行動から北朝鮮を守ってくれると考えていると述べた。同次官は「もし米国が軍事的手段を使うという無謀なことをすれば、その日から全面戦争になる」と語った。北朝鮮は米国が侵略国だと主張している。

17日に国連本部で会見した北朝鮮のキム・インリョン国連次席大使は、シリア政府軍が反政府勢力の支配地域を化学兵器で攻撃したとして米国がシリアを空爆したことを非難。米国が「世界の平和と安定を脅かしている」上、あたかも主権国家侵略は「正しくかつ適切な行為で、国際社会の秩序維持につながるという、ギャングのような論理を主張している」と述べた。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 North Korea 'will test missiles weekly', senior official tells BBC)