九州電力は2日、2021年度を最終年度とする連結ベースの財務目標を発表した。自己資本比率は20%程度、経常利益は期間中の平均で1100億円以上、投資額は累計4200億円とした。財務基盤を回復させ、設備投資を続けることで持続的な成長につなげる。

 計画は、すでに稼働している川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に加え、玄海原子力発電所3、4号機(佐賀県玄海町)の再稼働を前提にしたもの。同日記者会見した瓜生道明社長は、玄海原発について「再稼働の蓋然性が高まってきた。今年度中には再稼働するだろう」との見通しを示した。

 自己資本比率は10年度には25%以上あったが、東日本大震災後の原発停止による火力発電所の稼働に伴う燃料費の増大で大幅な赤字に陥り、14年度には9%まで低下していた。原発の再稼働が寄与することで、経常利益は17年3月期比で17%増の1100億円以上を平均で見込む。その積み重ねで自己資本比率を20%まで回復させる。

 設備投資は4200億円のうち、海外事業に550億円、再生可能エネルギーに850億円投じる。海外事業は「早くから手掛けてきた実績があり、地理的に近い東南アジアを軸に取り組んでいく」(瓜生社長)とした。また、具体的な数値目標を設定することで、「社員がまとまって(長期目標である)日本一のエネルギー会社という目標に取り組める」(同)と語った。

日経

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