愛知県警の男性巡査=当時(24)=が2010年に自殺したのはパワハラが原因として、両親が県に5800万円の損害賠償を求めた訴訟は18日、名古屋地裁で和解が成立した。
県が上司による「不適切な行為」を認め、解決金150万円を支払うとの内容。

原告側によると、和解条項には、県警の上司による腕立て伏せの指示や侮辱的な叱責、威圧的な退職勧奨について「不適切な行為と認める」との内容が盛り込まれた。
自殺と指導との因果関係は認めない一方、条項の前文には「職場実習中の自殺に遺憾の意を表明する」との文言が盛り込まれたという。

県警監察官室は「当方が主張してきた内容が踏まえられたので、和解に応じるのが適当と判断した」とコメントした。
名古屋市内で記者会見した原告の父親(62)は「県警は非を認めたのだから、パワハラの行為者を懲戒処分してほしい。厳正な対応こそ、パワハラのない職場での優秀な警察官育成につながると思う」と話した。

訴状によると、巡査は10年4月に採用。名古屋・中署の交番に配属され、上司から「職務質問の成績が悪い」などとして腕立て伏せや退職届を書くように強要された。同年11月、署のトイレで自らの拳銃を使って自殺した。
13年8月に提訴。地裁は今年3月、和解案を勧告していた。

配信 2017年7月18日 20時16分
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017071890201647.html