千葉県印西市の老人ホームで准看護師が睡眠導入剤を混ぜた飲み物を同僚らに飲ませたとされる事件で、殺人容疑で逮捕された波田野愛子容疑者(71)が、交通事故を起こして死亡した女性職員(当時60)の看護師増員の提案に不満を漏らしていたことが関係者への取材でわかった。

 施設には波田野容疑者以外に看護師や准看護師はおらず、入所者の健康や医師が処方した薬の管理を1人で担当していた。関係者によると、女性職員は今年初め、波田野容疑者の年齢を理由に「看護師を1人増やしてはどうか」と施設側に提案。波田野容疑者はこれを知り、不満を漏らしていたという。県警は、波田野容疑者が一方的にうらみを募らせた可能性があるとみて調べている。

 波田野容疑者は2月5日、車で帰宅する女性職員に睡眠導入剤を混ぜた飲み物を飲ませ、交通事故を起こさせて殺害した疑いがある。女性職員は施設から約1キロ先の直線道路で対向車と正面衝突し、死亡した。

 波田野容疑者は睡眠導入剤入りの飲み物を飲ませたことを認めた上で、殺意については否認しているという。

 捜査関係者によると、事故現場に女性職員の車のブレーキ痕はなく、県警は女性職員が睡眠導入剤の影響で重度の意識障害に陥っていたとみている。

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