愛知県刈谷市の刈谷豊田総合病院に入院し、脳梗塞で死亡した同県知立市の女児(当時7歳)の両親が、死亡は医師が適切な処置を怠ったためとして、
病院を開設する医療法人「豊田会」(刈谷市)に計約7500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、名古屋地裁であった。

末吉幹和裁判長は「医師の診察は不十分だった」として計約6600万円の支払いを命じた。

判決によると、女児は2011年10月18日、頭痛などを訴えて同病院に救急搬送され、脳の血管が狭くなったり詰まったりする「もやもや病」の疑いと診断されて入院した。
女児は同23日にけいれんの症状を起こし、翌24日に手術が行われたが、同31日に死亡した。

判決では、女児はけいれんを起こすまでに頭痛や吐き気など頭蓋内の圧力が高まっていることを示す症状が出ていたと指摘。
脳にダメージを受ける恐れがあったのに、診察が不十分で頭蓋内の圧力が適切に管理されなかったとして、医師の注意義務違反を認定した。

この結果、脳梗塞は広範囲に及んだとし、適切な処置が行われていれば31日の時点で死亡しなかった可能性が高いと結論づけた。

豊田会は「弁護士に任せており、コメントは差し控えたい」としている。

2017年08月03日 15時36分
YOMIURI ONLINE
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