愛媛大(松山市)の複数の男女学生が今年3月、教員が女子学生の体を触ったり、飲み会を断った学生に単位を出さないなどの対応をしたりしているとして、大学側に相談していたことが22日、大学への取材などで分かった。

毎日新聞の情報公開請求に愛媛大が開示した関係資料によると、3月1〜7日、複数の学生が、同じ教員による被害について大学側に相談した。

このうち女子学生2人は、教員が飲み会で女性の体を触ったり、飲み会を断った学生には単位を出さないなど対応が悪くなると相談。さらに、この教員は学会のため出張する際には必ず女子学生を同伴させていたという。学生は「飲み会を開くのをやめてほしい。指導できないのであれば、研究指導をしてほしくない」と訴えた。

別の学生4人も「(この教員は)女性を遅くまで連れ回し、体に触ったりする。研究室の指導から教員を外してほしい」などと訴えた。

また、男子学生2人は、この教員に「大学院進学後は研究室を変わりたい」などと伝えたところ、卒業に必要な単位を取り消されたという。「卒業判定が間近に迫っているにもかかわらず、どうしたら卒業できるかとの問いにも明確に答えてもらえない。人により態度が明らかに違う」などと相談した。

このほか、男子留学生は、この教員から進学に必要な科目の追試験を受けさせてもらえず、ストレスから睡眠不足が続いたため薬を飲むようになったり、髪が抜け落ちているように感じたという。

相談を受けた大学の人権問題対策委員長が、所属部局に対処を依頼し、対処結果について対策委員長に報告した。

愛媛大では、女子学生が昨年4月、別の教員(既に依願退職)から性的な関係を迫られたとして、大学側に相談していたことなども明らかになっている。。【花澤葵】

配信2017年8月23日 11時26分(最終更新 8月23日 13時24分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170823/k00/00e/040/259000c