北海道函館市が同市恵山地区の私有林を市有林と誤り、樹木計700本を伐採し木材を搬出、販売していたことが12日分かった。道の森林調査簿の記載が間違っていたのが理由で、市は所有者に口頭で謝罪し具体的な賠償を検討している。

同市によると、誤伐採が判明したのは同市高岱町にある約8000平方メートルと約4300平方メートルの私有林で、市内の男性2人がそれぞれ所有する。

市は森林調査簿に基づいて森林経営計画を策定し、2008〜16年度にこの私有林内で間伐や伐採、植栽などを実施。伐採したスギやトドマツ、カラマツを木材として搬出、販売してきた。

しかし今年5月、所有者の1人から申し出があり、登記簿謄本で所有者を確認した結果、市有林ではないと判明した。1961年、旧・尻岸内村(現函館市)が村有地だったこの林を私有地に変更したが、調査簿に反映されていなかったという。

市は、他にも同様の事例がないか調査する一方、今後の森林整備ではすべてのケースで登記簿謄本を取り寄せ、再発防止に努める。【山田泰雄】

配信2017年9月13日 10時44分(最終更新 9月13日 10時56分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170913/k00/00e/040/220000c