外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は21日までモスクワでの核不拡散に関する国際会議に出席したが、北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長との本格的な協議は成立しなかった模様だ。北朝鮮は会議で米国との安全保障を意識した発言を繰り返し、日朝関係には全く関心を示さなかった。

 金杉氏は21日午前の会議後に帰国する際、記者団に、崔氏に複数回声を掛けて「日本側の考えを伝えた」と説明した。ただ、金杉氏が20日の会議後、崔氏に声をかけて面会したい考えを告げたが、崔氏が全く返答しない場面もあった。

 崔氏は会議で日朝や南北関係に全く触れず、記者団にも日韓両政府当局者や米政府の元高官らと面会する考えがないことを再三強調。北朝鮮が核武装を終えるまでは本格交渉に応じる考えがないという姿勢を改めて示した。

 日朝関係筋は「北朝鮮は米国はともかく、現時点で日本との交渉に全く関心を持っていない」と語った。(モスクワ=牧野愛博)

配信 2017年10月21日18時23分
朝日新聞デジタル
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