【クラーク=吉村英輝】東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議が23日、フィリピン北部クラーク経済特区で開かれ、核・ミサイル開発を受けて緊張が高まる北朝鮮情勢について、「重大な懸念」を表明する共同宣言を採択した。

 ASEANには北朝鮮と伝統的な友好関係を持つ国も多く、加盟全10カ国が国交を維持。昨年5月にラオスで開かれたASEAN国防相会議の共同宣言では、北朝鮮情勢に触れていなかった。

 声明は、地域の平和と安定のため、朝鮮半島の非核化に向けた平和的な取り組みへの支持を表明。北朝鮮に国連安全保障理事会決議に基づく義務に即座に従うよう強く求めるとともに、自制を促した。

 また、一部加盟国が領有権で対立する南シナ海問題では、昨年に引き続き、国連海洋法条約を含む国際法に従った平和的な解決の重要性を訴える一方、同海に造成した人工島の軍事拠点化を進める中国への言及を避けるなど配慮した。

 24日には日米中露などを加えた計18カ国による拡大国防相会議が開かれ、日本からは小野寺五典防衛相、米国からはマティス国防長官が出席する。
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