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 道内の秋サケ定置網漁が記録的不漁となっている影響で、イクラの価格が2000年以降最高の1キロ当たり1万円台にまで高騰している。飲食店や水産業者は、メニューや価格の維持に四苦八苦する。サケの卵を狙った盗難事件も起きており、北海道を代表する秋の味覚を巡って混乱が広がっている。

 「今年は自宅でのイクラ作りをやめようかな」。25日、札幌市中央区の鮮魚店で北区の主婦中村保子さん(71)がため息をついた。同店では、イクラの原料となる生筋子は100グラム当たり1250円。前年同期の5割増しの価格だ。

 北見市の団体職員清水勝男さん(67)はイクラ作りを断念した。「友人の漁師も、不漁で筋子を分けてくれなさそうなので」と話す。

 秋サケの不漁を受け、札幌市中央卸売市場の10月のイクラ取扱量(24日時点)は、前年同月と比べて6割減の35トンに減少した。半面、平均価格は1キロ当たり1万260円と、前年同月の2倍に跳ね上がっている。

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イクラの原料となる「生筋子」も記録的な不漁で価格が高騰している=札幌市中央区の鮮魚店
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