1994年の北朝鮮核危機への対応を担当したアメリカのペリー元国防長官が講演し、北朝鮮への軍事攻撃について「北朝鮮の反撃を招き、大きな戦争に発展しかねない」と指摘し外交的な解決を訴えました。
 「今我々のテーブルの上にあると言っているのは通常兵器による対北軍事攻撃だが、北朝鮮は韓国に対し通常兵器を使って反撃するのは疑いないと思う」(ペリー元米国防長官)
 ワシントンで5日開かれたシンポジウムでペリー氏は、アメリカ軍による北朝鮮への軍事攻撃について、「北朝鮮の反撃でより大きな戦争や、最後は核戦争に発展する恐れがある」と指摘しました。
 さらに、ペリー氏は「我々が何を提案しても北朝鮮は運用可能なICBM=大陸間弾道ミサイルを持つまで発射実験を止めないだろう」との見方を示しました。その一方で、「北朝鮮は挑発されなければ、アメリカや同盟国に対し核兵器を使うことはないだろう」と述べたうえで「外交による解決は難しいゴールだが、中国との緊密な連携があって初めて達成できる」と強調しました。
 「北朝鮮に核とミサイルの両方の実験を凍結するよう説得を試みるのが最優先の仕事だが、そのために我々は米韓合同軍事演習の凍結ではなく、内容の変更を提案すべきだ」(スザンヌ・ディマジオ氏)
 また、今年5月にノルウェーで北朝鮮高官と非公式に接触したスザンヌ・ディマジオ氏はこのように述べて、米韓合同軍事演習の内容を変更するなどして北朝鮮との対話を模索すべきとの考えを示しました。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3232439.html